勝手に式場見学へきた義母たち
そして迎えた当日。太一くんと二人で予約時間ちょうどに式場に着くと、ロビーのソファに見慣れた顔が。
「あら、太一、芹那ちゃん。遅いわよ~!」
義母が、ニコニコと手を振っています。まるで試食会の主役は義母のようでした。
試食会が始まると、義母は「このフカヒレスープ、薄いわね」「このお肉はちょっと固いんじゃない?」と、料理に厳しい評価を下していきます。声が大きくて気まずくなり、私は料理の味がわからないほど恥ずかしかったのを覚えています。
結局、式場を検討するどころか、私たちは義母をもてなす一日になってしまいました。このころから、義母の首を突っ込む姿勢にはモヤモヤしていたのですが、こんなの、長い結婚生活の中では序の口みたいなものでした。
あとがき:善意の仮面を被った「支配」の始まり
結婚は、二人の新しい生活の始まりです。それなのに、式場選びという一番楽しいはずの準備に義母が乱入するなんて…。芹那さんの疲労は想像に難くありません。「家族みんなで決めるのが当然」という義母の言葉は、一見するとわが子思いの「善意」ですが、実際は新しい家族の決定権を奪う「支配」の始まりでした。
新郎新婦ではなく、義母が主役になってしまったこの日、芹那さんが感じた「戦い」の予感は、この後の展開を象徴していますね。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: ゆずプー
(配信元: ママリ)

