猫の『鼻水の色』から見分ける5つの原因 主な症状や危険性、対処法まで解説

猫の『鼻水の色』から見分ける5つの原因 主な症状や危険性、対処法まで解説

『鼻水の色』から見分ける5つの原因

鼻を垂らす猫

鼻炎持ちの筆者にとって鼻水は、もはやお馴染みの症状。もうすっかり慣れっこになっていますが、愛猫のこととなると別の話です。

たとえ些細なものでも、『なぜ?』『大丈夫?』と警戒してしまいます。特に、猫風邪の既往歴のある猫や、呼吸器系の疾患のある猫と暮らす方にとってはヒヤヒヤするのではないでしょうか。

ということで今回は、『鼻水の色』から見分けられる原因を5つ紹介いたします。合わせてそれぞれの危険性や、対処法についても詳しく解説いたします。

1.透明な鼻水

透明な鼻水は、出たタイミングや頻度によって危険性が異なります。

生理現象

例えば抜け毛がホコリを吸い込んでしまった場合、その反射でくしゃみと透明な鼻水が出ます。

くしゃみに関してはその場で何度か出続けることがあるかもしれませんが、ひとたび落ち着いてしまえば治まります。鼻水自体も少量で、すぐに止まることが多いでしょう。

これは、いわゆる生理現象の一種です。その場の症状のみであれば、心配しなくても大丈夫です。

季節性のアレルギーor風邪のひき始め

サラッとした透明な鼻水が頻繁に出る場合は、他にも症状がないか気にかけてみてください。

元気食欲は変わらず、鼻水のみが続く場合は『季節性のアレルギー』の可能性があります。猫も花粉症になることがあるので、1週間程度持続するのであれば診察を受けてください。

もしその他に、目ヤニ・くしゃみ・咳・食欲不振などの症状が見られるようであれば『風邪のひき始め』の可能性があります。過去に猫風邪をひいた経験があれば、遅くとも翌日には獣医さんに診てもらいましょう。

ただし、子猫や15歳を超えるシニア猫は重症化しやすいので大変危険です。その日のうちに診察を受けてください。猫風邪は自然治癒するのが困難な"病気"です。再発のリスクも高いため、注意してください。

その他の病気の初期症状

生理現象のように一過性のものではなく、よく再発する場合や、原因がよく分からないという場合は一度診察を受けるようにしてください。

透明な鼻水は、様々な病気の初期症状になります。すぐに原因が特定できないこともありますが、一旦獣医さんに相談しておくことで、病院側も一緒に経過を見てくれることになるので安心です。

その都度"こんな症状が出たら○○"とアドバイスをくれるでしょう。それに従い、ご家庭でもよく観察してあげてください。

2.黄色や緑色の鼻水

色が黄色や緑色で、なおかつ粘り気がある鼻水の場合は、何らかのウイルス(症状が進んだ猫風邪も含む)や細菌感染、もしくは鼻腔内異物や腫瘍などが疑われます。

また、緑色の中でもドロッとした膿のような印象を受ける鼻水は『歯周病』が原因の可能性も考えられます。

いずれの場合も適切な治療を受けることが重要です。気づき次第、診察を受けるようにしてください。

尚、鼻水がいつ頃から出ているのか・他にはどのような症状があるのか・食欲や元気の有無はどうかなど、予め状況を整理しておくと伝えやすくなるでしょう。

3.ピンク色の鼻水

ピンク色の鼻水は『薄い鼻血』が示唆されます。例えば、先ほど紹介した歯周病では鼻腔内に炎症が広がり出血しているサインです。ここまでくると重症化しているので、抜歯が必要になる可能性が高いでしょう。

他にも酷い鼻炎や、鼻腔内腫瘍などが原因でもピンク色の鼻水が出きます。気づいた時点で、早めに診察を受けてください。

また、より早く気づくポイントとして、食欲がない・食べたそうにしているのに食べられないなどの行動がないか日頃からよく見てあげてください。

鼻はにおいを感知する場所なので、フードの香りや風味が感じられなくなると食欲が落ちてきます。歯周病の場合は痛みから食べられないという症状が現れます。以上のような異変を捉えることができれば、より早い治療へとつなぐことができるでしょう。

4.鮮血

明らかな鮮血は『濃い鼻血』です。腫瘍が進行しても見られますが、外傷でも見られる症状です。

例えば鼻血が出る前に、ドタバタと走り回っていませんでしたか?その過程で何らかのアクシデントがあり、顔や鼻をぶつけてしまった可能性があります。

帰宅後に鼻から鮮血が出ていることに気づいた場合は、まず怪我を疑ってみてください。他に負傷している部位がないか、触れてみて痛がる場所がないか確認してみましょう。

鼻血がすぐに止まり、歩行や元気食欲に問題がなければ翌日まで様子を見て、かかりつけの病院に電話で相談するのも手です。ただ心配な場合は、夜間対応の病院に相談し、指示を仰いでみてください。

逆に鼻血が止まらない・止まっても再発する・ふらつきがある・嘔吐している・足がおかしな方向を向いているなど少しでも他の症状があれば、翌日を待たずに受診してください。

5.鼻から白い液体が出る

子猫を育てる過程で、ミルクを飲む度に"白い液体"が鼻から出る場合は『口唇口蓋裂』の可能性が高いでしょう。

簡潔に言うと、生前お母さんのお腹の中にいる間に閉じるはずだった上顎の穴が、塞がらず開いたままで生まれてくることで『口腔』と『鼻腔』がつながってしまう病気です。よって、ミルクを吸う際に開いたままの穴に入ってしまい、鼻から出てしまうのです。

詳しい治療法は割愛しますが、重要なのは動物病院との連携です。信頼できる動物病院に相談し、その子に合った治療を継続しながら、手術ができるタイミングまで持っていくのが目標です。

ひとまず異変に気づいたら、診察を受けるようにしてください。

まとめ

くしゃみが出そうな猫

今回は、『鼻水の色』によって見分ける原因を5つ紹介いたしました。

実際に愛猫の身に起きてしまうとゾッとするものもあったと思いますが、事前に知っておくことで冷静な対処ができるようになるでしょう。

比較的、危険度が低い透明な鼻水も、放置すれば症状が進んでしまうものもあります。よく経過を見てあげてくださいね。

そのうえで、気になることがあれば動物病院を頼ってください。受診のタイミングがわからない、応急処置の有無を知りたいなどの心配事がある場合は、電話で相談しても大丈夫です。その都度指示を出してくれるので、ひとまず状況を整理して相談してみてください。

以上、鼻水の色から見えてくる症状・危険性・対処法でした。この情報が皆様の猫ライフのお役に立てれば嬉しいです。

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