粟粒結核の治療
粟粒結核の発症を認める場合には、主に多剤併用による化学療法が行われます。
一般的に、治療は6ヶ月以上の長期間に渡って行う必要があります。標準的な治療として、最初の2ヶ月は抗結核薬の「イソニアジド」に加え「ピラジナミド」「リファンピシン」「ストレプトマイシン」または「エタンブトール」の4種類の薬剤で治療を行い、その後4ヶ月間はイソニアジドとリファンピシンの2種類か、イソニアジド、リファンピシン、エタンブトールの3種類の薬剤で治療を行います。
出典:NIID国立感染症研究所「結核とは」
粟粒結核になりやすい人・予防の方法
通常の肺結核とは異なり、粟粒結核は全身的な感染症であり、特に免疫力が低下している人々に発症しやすいとされています。以下のような人々が粟粒結核になりやすいとされています。
免疫力が低下している人
・HIV感染者:HIVに感染して免疫力が低下すると、結核にかかりやすく、特に粟粒結核のような全身性の結核が発症しやすくなります。
・免疫抑制治療を受けている人:例えば、ステロイド薬や免疫抑制剤(抗がん剤、免疫不全治療薬など)を使用している場合、免疫系が抑制され、結核に対する抵抗力が低下します。
・臓器移植を受けた人:移植後に免疫抑制薬を使用している場合、結核菌に対して感受性が高くなります。
高齢者は免疫機能が低下しているため、結核菌に感染しやすく、また、既に体内に潜伏していた結核が再活性化するリスクが高まります。特に体力が衰えていると、粟粒結核のような重篤な結核が発症しやすいです。
慢性疾患を持つ人糖尿病患者:糖尿病は免疫系を弱めるため、結核にかかりやすくなります。特に糖尿病がコントロールされていない場合、感染のリスクが高くなります。
腎不全や肝不全などの慢性疾患を持つ人:これらの病気も免疫力を低下させ、結核に感染しやすくなります。
栄養不良は免疫力を低下させ、結核にかかりやすくなります。特に飢餓状態や慢性的な栄養不足にある人々は、結核菌に対して抵抗力が弱くなります。
感染症が持続している人結核の菌は潜伏感染している場合が多いため、例えば慢性の呼吸器感染症や他の細菌感染症を繰り返し患っている場合、免疫力が低下し、粟粒結核を含む結核が発症しやすくなります。
結核の既往歴がある人過去に肺結核にかかったことがある人は、結核菌が体内に潜伏していることがあり、免疫力が低下したときに再活性化することがあります。特に免疫力が低い状態では、粟粒結核として再発することもあります。
予防法
粟粒結核の予防には、結核の感染リスクを減らすことが重要です。
感染予防のために、手洗いやうがいの励行、人混みでのマスクの着用を心がけましょう。高齢者や小児、免疫抑制薬等で治療中の人は特に入念に感染対策を心がけ、結核患者との接触を避けることが重要です。
また、万一結核菌に感染しても、必ずしもすべての人が発症するわけではありません。
生活習慣を整え、免疫力の維持・向上に努めましょう。適度な運動や規則正しい食生活を心がけ、十分に睡眠をとって体を休めたり、シャワーではなくゆっくり入浴したりすることも効果的です。
定期的に健康診断を受けることで結核の早期発見と早期治療が望めます。健康な人や成人であっても、年に1度は健康診断を受けるようにしましょう。
このほか、結核の発病を予防するための方法として、BCGワクチンがあります。BCGワクチンは、特に乳幼児期に接種を終えた場合に、粟状結核に対して高い発病予防効果が期待できるとされています。
関連する病気
結核
肺外結核
泌尿生殖器結核
髄膜結核(結核性髄膜炎)
心膜結核(結核性心膜炎)
腹膜結核(結核性腹膜炎)
リンパ節結核(結核性リンパ節炎)
皮膚結核
参考文献
一般社団法人日本呼吸器学会「Topics4粟粒結核-多彩な画像と臨床像-」
NIID国立感染症研究所「結核とは」
日本感染症学会「当院における粟粒結核の臨床的検討」
日本医師会「重篤な粟粒結核」
東京都感染症情報センター「結核」
重藤えり子著「結核医療の基準と診療ガイドライン」
福井県立大学保健管理センター福井県大保健管理センターだより「免疫力を下げない過ごし方」

