ビタミンAサプリの肌に対する効果

ビタミンAサプリは、食事だけでは十分に摂れない場合に不足分を補う手段として役立ちます。ただし、サプリメントの摂取によって肌の状態が直接的に大きく改善するという明確な根拠は、現時点では十分ではありません。
経口のビタミンAやβ-カロテンの摂取で、皮膚の乾燥や角層水分量に変化がみられたとする報告もありますが、研究数は限られており、局所のレチノイド治療と比較すると科学的な証拠は弱いとされています。美容目的での効果を断定することはできません。
また、ビタミンAは脂溶性で体内に蓄積しやすいため、過剰摂取が続くと肝障害や頭蓋内圧亢進症などのリスクがあります。サプリを使用する場合は耐容上限量を超えないよう注意し、基本は食事を中心にバランスよく摂取することが望ましいです。
ビタミンAサプリを服用するときの注意点

過剰摂取
ビタミンAは、脂溶性ビタミンで肝臓に蓄積されやすく、耐容上限量を超えると肝障害、頭痛、吐き気、皮膚の異常などが起こる可能性があります。
また、サプリで高用量のレチノールやβ-カロテンを長期摂取した場合は、特に喫煙者などで肺がんリスクが増加する報告があるため、過剰摂取には注意が必要です。日本人の食事摂取基準2025年版では、がん予防目的での高用量サプリ摂取は推奨されていません。あくまでも食品から適量を摂取することが基本です。
妊娠中・授乳中の使用
妊娠初期にビタミンAを過剰摂取すると、胎児の先天異常リスクが高まることがあります。妊婦や授乳婦はサプリでの追加摂取前に医師や管理栄養士に相談しましょう。
食事とのバランス
食事からも十分に摂れる場合は、サプリを無理に追加する必要はありません。
他の薬やサプリとの併用
ビタミンAを含む薬やサプリとの併用で過剰摂取になりやすいため、服用中のサプリや薬の成分を確認しましょう。

