排便障害の前兆や初期症状について
排便障害の前兆や初期症状には、便の形状や頻度の変化がみられます。
例えば、便が硬くなり、排便時に痛みを感じることがあります。排便回数が極端に減る場合、お腹の張りや不快感が続く場合は、排便障害の初期のサインです。
そのほかにも、便に血が混じっていたり、排便後もすっきりしない感覚が続いたりする場合は大腸がんなどの深刻な病気が隠れていることもあるため注意が必要です。また、痔核の場合は肛門周囲に腫瘤ができたり、腫れ物ができたりするため、排便後トイレットペーパーに血液が付着することもあります。
これらの症状は、身体の異常を示すサインであるため、見過ごさないことが重要です。病状が初期の段階で対応することで、より深刻な状態を防ぐことができます。
排便障害の検査・診断
排便障害の診断は、主に問診と身体検査でおこないます。医師は、排便の回数や便の性状など排便の状況と、運動や食事など生活習慣について詳しく聴取します。また、お腹の張りや痛みの有無などを確認します。
排便障害の原因となる疾患がないかを調べるために、必要に応じて血液検査や下部消化管(大腸)内視鏡検査などを実施します。
血液検査では体内の炎症の有無や貧血の状態などを調べることもあります。血液検査の結果、炎症反応がみられる場合は、腸炎や炎症性腸疾患、感染症などが疑われ、さらに詳細な検査が必要です。
下部消化管内視鏡検査では肛門から大腸内視鏡を入れて、小腸の終わりと盲腸から直腸までを観察して、腸内に悪性腫瘍やポリープ、炎症がないかを確認します。大腸内視鏡検査を受けるためには、前処置が必要であり、前日から食事を制限したり、腸管洗浄剤を飲んだりしなければなりません。
場合によっては、CT撮影をおこない、腸の炎症や壁肥厚などを確認することもあります。
症状や腹部所見、検査結果を総合的に判断して、適切な治療につなげます。特に、大腸内視鏡検査は早期発見に役立ち、がんの予防にもつながるため、必要な場合は積極的に受けることが推奨されます。

