排便障害の治療
排便障害の治療は、原因によって異なります。
排便障害の原因が病気であれば、その病気に対して治療をおこないます。
過敏性腸症候群の場合は、症状に応じた薬が処方されることが一般的です。大腸がんの場合は手術や放射線療法、化学療法などが行われます。痔核の場合は、手術や薬物療法などで症状の改善を目指します。
一方で、排便障害の原因が生活習慣であれば、生活習慣の改善が基本です。具体的には、食物繊維の摂取や水分補給が推奨されます。食物繊維は野菜や果物、全粒穀物などに多く含まれており、毎日の食事に取り入れることで腸の動きを助けます。
水分摂取も重要で、心臓や腎臓に持病がなく医師の指示を受けていない成人では、1日あたり1.5リットル以上の水を飲むことが推奨されます。また、リラックスするために軽いウォーキングや深呼吸、ヨガなどを取り入れることも、自律神経が整うため、排便障害の改善に役立つ可能性があります。
ただし、これらの治療は症状によって異なるため、医師に相談したうえで進めましょう。必要に応じて、医師から下剤や整腸剤が処方されることもあります。
排便障害の治療は、原因に合わせた治療が必要です。生活習慣の改善を図りつつ、必要に応じて医師の指導を受け正しい治療をおこなうことで、排便障害の症状の改善が期待できます。
排便障害になりやすい人・予防の方法
排便障害になりやすい人は、食事が偏っている方や運動不足の方です。 特に、食物繊維や水分の摂取が不足している人は、便秘のリスクが生じます。ストレスを抱えやすい方も、自律神経の乱れが排便に影響するため注意が必要です。
予防のためには、バランスの良い食事と適度な運動が大切です。水分をしっかり摂り、規則正しい生活を心がけましょう。リラックスできる時間を持つことも、排便障害の予防に役立ちます。
特に、座りっぱなしの生活が続く方は、意識的に体を動かすことが重要です。毎日30分程度の軽い運動を取り入れることで腸の働きが促進されます。
さらに、食物繊維を意識して摂ることで腸内環境が整いやすくなります。ストレスを感じた際には、趣味や友人との会話などで気分転換を図ることも効果的です。適度な生活習慣の見直しをおこない、排便障害を予防することが健康維持につながります。また、腸内環境を良好に保つためにヨーグルトや納豆などの発酵食品を取り入れることも効果的です。これにより、腸の動きが活発になり、排便がスムーズになることが期待できます。
関連する病気
便秘下痢
過敏性腸症状群
大腸癌
直腸瘤
痔核
参考文献
2022(令和4)年 国民生活基礎調査|厚生労働省
味村俊樹ほか|日本大腸肛門病会誌(年間 1-10 号)第 65 巻第 3 号2012 年 3 月

