発熱や倦怠感などの症状がみられる「インフルエンザ」。疑われる際には病院で検査をおこないますが、「陰性」という結果が出てもインフルエンザと診断されるケースがあることを知っていますか? インフルエンザ検査の注意点について、、「グローバルヘルスケアクリニック」の水野先生に教えていただきました。

監修医師:
水野 泰孝(グローバルヘルスケアクリニック)
東京慈恵会医科大学大学院(小児科学)修了。タイ王国マヒドン大学熱帯医学部留学、在ベトナム日本大使館医務官、国立国際医療研究センター厚生労働技官、東京医科大学准教授・同大学病院大学病院感染症科診療科長などを歴任し、2019年より現職。日本感染症学会認定専門医・日本小児科学会認定専門医・日本アレルギー学会認定専門医。専門は熱帯医学・渡航医学・予防接種。
編集部
インフルエンザの検査を受ける時の注意点を教えてください。
水野先生
検査を受けるタイミングが大切です。インフルエンザに感染してすぐではなく、発熱などの症状が出てから半日程度経過した後に検査を受けるのが望ましいと言われています。また、発症から時間が経ちすぎると検査の精度が低下するので、熱が高いなど症状があるうちに検査を受けることをおすすめします。
編集部
そのほか、どのようなことに注意する必要がありますか?
水野先生
検査結果で陰性と出ても、必ずしもインフルエンザにかかっていないわけではない点を覚えておきましょう。検査結果だけで判断するのではなく、医師の問診や流行状況なども総合的に考慮しましょう。また、「インフルエンザではない」と診断されても、体調が悪いときには外出を避ける、なるべく人と接触をしないなどの心がけも大切です。
編集部
検査費用はどれくらいですか?
水野先生
医療費の自己負担が3割の場合、診察料などを除く検査そのものの費用は、抗原検査・AIを使った検査ともに1000円程度です。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
水野先生
インフルエンザに限ったことではありませんが、感染症を人にうつさないためにも、発熱したり体調が悪かったりしたら、人と接触しない、仕事を休むといったことを改めて確認してほしいと思います。また、現在は医療機関を受診する際に体調が悪くてもマスクをつけずにいる人が散見されます。健康な人であれば感染症に罹患する確率はそれほど高くありませんが、病院には免疫力が低下した人がたくさんいます。熱が高い、咳がひどいなどの症状で病院を受診する際には、他人への感染を予防するためにも、必ずマスクを着用してください。感染症の拡大を予防するためにも、基本ルールを改めて見直してほしいと思います。
※この記事はメディカルドックにて<「インフルエンザ」は検査で“陰性”でも感染の可能性があることはご存じですか?【医師解説】>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
あわせて読みたい
- 「インフルエンザ」発症から「48時間以上」経っても治療薬の効果は期待できるの?
──────────── - 「インフルエンザ」は発症後「何日目がピーク」かご存知ですか?ピーク時の症状も解説!
──────────── - 「インフルエンザの咳の特徴」はご存知ですか?風邪の咳の違いも解説!【医師監修】
────────────

