痛くて腫れた粉瘤を治すには?切開排膿とその後に行う手術の進め方

痛くて腫れた粉瘤を治すには?切開排膿とその後に行う手術の進め方

粉瘤が細菌感染を起こして炎症を起こすと、赤く腫れたり、痛みや熱感を伴ったりします。炎症の程度や状態によっては通常の手術をそのまま行うことが難しく、応急処置を先に行い、段階的に治療を進める必要があります。炎症時の対応と根治手術のタイミングを適切に判断することが、治療の成功と再発防止につながるため、医師の指示に従った計画的な治療が求められます。

本木 智輝

監修医師:
本木 智輝(医師)

神奈川県川崎市 ナビタスクリニック川崎(皮膚科)勤務

新潟大学卒業
日本医科大学皮膚科助教

炎症を起こした粉瘤の治療

粉瘤が細菌感染を起こして炎症を起こすと、赤く腫れたり、痛みや熱感を伴ったりします。炎症の程度や状態によっては通常の手術をそのまま行うことが難しく、応急処置を先に行い、段階的に治療を進める必要があります。

急性炎症時の応急処置

粉瘤が炎症を起こして赤く腫れ、痛みを伴う状態になった場合には、速やかに医療機関を受診することが重要です。炎症が強い急性期には、抗生物質内服のみによる保存的療法と、切開して膿を排出する切開排膿があります。切開排膿は膿を出すことで痛みや腫れが軽減され、炎症の拡大を防ぐことができるのです。
切開排膿の処置は局所麻酔下で行われ、小さな切開から膿を排出した後、創部を洗浄します。場合によっては、膿が再び溜まらないように細い排液用のチューブ(ドレーン)と呼ばれる管を留置することもあります。処置後は抗生物質の内服や外用薬の使用によって、感染のコントロールを図ります。
この応急処置は症状を和らげるための対症療法であり、粉瘤そのものを取り除く根治的治療ではありません。炎症が落ち着いた後、2ヶ月〜3ヶ月程度の期間を置いてから、袋を完全に摘出する手術を行うことが一般的です。

炎症後の根治手術のタイミング

炎症を起こした粉瘤は、急性期に無理に摘出手術を行うと、周囲組織との境界が不明瞭になっており、袋を完全に取り除くことが困難になります。また、炎症により組織が脆弱になっているため、術後の創傷治癒にも影響が出る可能性があるのです。
そのため、炎症が完全に治まり、組織が正常な状態に戻るまで待ってから根治手術を行うことが推奨されます。この待機期間は通常2ヶ月〜3ヶ月程度とされていますが、炎症の程度や個人の治癒能力によって異なる場合もあります。
待機期間中は、再び炎症を起こさないよう注意が必要です。刺激を避け、清潔を保つことで、炎症の再燃を防ぐことができるでしょう。適切なタイミングでの根治手術によって、再発のリスクを最小限に抑えることが可能となります。

まとめ

粉瘤は誰にでも生じる可能性がある良性の皮膚腫瘍ですが、放置すると徐々に大きくなり、炎症やにおいなどの問題を引き起こすことがあります。できやすい人の特徴を理解し、早期に発見することで、小さいうちに治療を受けることが可能となります。手術費用は保険適用で数千円〜1万円台が一般的であり、治療方法も複数の選択肢があります。においや美容面での悩みも含め、気になる症状があれば皮膚科や形成外科を受診し、専門医と相談しながら適切な治療を受けることをおすすめします。

参考文献

公益社団法人日本皮膚科学会「皮膚科Q&A 粉瘤(アテローム)」

慶應義塾大学病院医療・健康情報サイト「粉瘤(アテローム)」

公益社団法人日本形成外科学会「粉瘤(アテローム・表皮嚢腫)」

厚生労働省「外科手術の保険点数について」

配信元: Medical DOC

提供元

プロフィール画像

Medical DOC

Medical DOC(メディカルドキュメント)は800名以上の監修ドクターと作った医療情報サイトです。 カラダの悩みは人それぞれ。その人にあった病院やクリニック・ドクター・医療情報を見つけることは、簡単ではありません。 Medical DOCはカラダの悩みを抱える方へ「信頼できる」「わかりやすい」情報をお届け致します。