副鼻腔真菌症の前兆や初期症状について
副鼻腔真菌症では、鼻水や鼻づまり、軽い頭痛などが前兆となる場合があります。
頭痛や頬の痛み、鼻血のほか、鼻水がのどに垂れる「後鼻漏(こうびろう)」を認めることもあります。しかし、明確な症状のないまま経過することも多く、発症に気づかないケースもあります。
症状が進むと、鼻から膿性の分泌物が出たり鼻血が出たりするほか、頬の痛みや腫れを伴うことがあります。また、強い頭痛や視力障害、鼻からの黒い分泌物といった症状が現れた場合は、より危険な病態である「浸潤性」の恐れがあるため、早急な検査と治療が望まれます。
副鼻腔真菌症の検査・診断
副鼻腔真菌症の診断では、主にCT検査やMRI検査がおこなわれます。ほかに内視鏡検査、血液検査、原因となる真菌を特定する検査などがおこなわれます。
副鼻腔真菌症を発症している場合、CT検査やMRI検査をおこなうと感染によりできた「真菌塊(しんきんかい)」が確認できることがあります。患者さん本人に自覚症状がない場合などは、こうした画像検査により偶然見つかり、治療につながるケースもあります。また、画像診断では患部だけでなく周囲の組織への浸潤の有無を調べることができます。
内視鏡検査では、患部粘膜の炎症の程度などを直接的に観察することができます。
原因となる真菌を特定するためには、分泌物などの検体を採取して培養し、顕微鏡で詳しく調べる方法が用いられます。
このほか、真菌に感染しているか、アレルギー反応がないかを調べるために血液検査を行うこともあります。

