副鼻腔真菌症の治療
副鼻腔真菌症の治療では、外科的な手術をおこなうのが一般的です。
真菌塊は一度形成されてしまうと、薬物治療では根治が難しいことが知られているため、手術により直接、病巣部の真菌塊を除去するのが効果的とされています。
副鼻腔真菌症でもっとも多く見られる「慢性非浸潤性」では、手術で真菌塊と炎症を起こしている粘膜を取り除くことができれば、術後の経過も良好なケースが多いです。したがって積極的に手術治療が検討されます。患者への負担が少ない内視鏡手術が行われるケースも多いです。
一方、まれに見られる「浸潤型」では、周辺組織への感染の広がりなどを考慮する必要があり、治療の難易度が上がります。手術が成功しても、抗真菌薬の投与などの全身管理が必要となるケースがあります。
副鼻腔真菌症になりやすい人・予防の方法
副鼻腔真菌症になりやすい人は、免疫機能が低下している人です。
糖尿病を発症している人や、ステロイド薬、免疫抑制薬、抗がん剤で治療を受けている場合には免疫機能が低下しやすいため、副鼻腔真菌症を発症するリスクが高まります各疾患への適切な治療を受けるとともに、副鼻腔真菌症に対しても予防に努めることが重要です。
免疫機能に問題がなくても、副鼻腔真菌症を発症するリスクはあります。
しかし、副鼻腔真菌症は早期発見できれば、適切な治療と手術により回復が見込める疾患です。他の原因による副鼻腔炎を含め、気になる症状があれば早めに医療機関に相談、検査をすることは、この病気の予防につながると言えるでしょう。
関連する病気
糖尿病副鼻腔炎アレルギー性副鼻腔真菌症(AFRS)
参考文献
東京時軽快医科大学耳鼻咽喉科鴻信義「副鼻腔真菌症」
慶應義塾大学病院医療・健康情報サイトKOMPAS「副鼻腔炎」
東邦大学医学部耳鼻咽喉科学講座「「第115回日本耳鼻咽喉科学会総会ランチョンセミナー」副鼻腔真菌症の診断と治療」

