粉瘤の治療では、手術以外の方法を希望する方もいますが、現状では根治できる非外科的治療法は確立されていません。薬や民間療法、レーザー治療などの方法がありますが、それぞれに特徴と限界があるため、理解することが重要です。保存的治療や新しい技術についての正しい知識を持つことで、適切な治療選択ができるようになるでしょう。

監修医師:
本木 智輝(医師)
新潟大学卒業
日本医科大学皮膚科助教
手術以外の選択肢と限界
粉瘤の治療では、手術以外の方法を希望する方もいますが、現状では根治できる非外科的治療法は確立されていません。薬や民間療法、レーザー治療などの方法がありますが、それぞれに特徴と限界があるため、理解することが重要です。
保存的治療の可能性と限界
粉瘤に対する薬物療法など、保存的治療のみで根治することは困難です。抗生物質は炎症を起こした際の感染のコントロールには有効ですが、粉瘤の袋そのものを消失させる効果はありません。炎症が治まっても、袋が残っている限り、内容物が再び溜まり、粉瘤は再び大きくなる可能性があります。
また、民間療法として紹介されることのある温熱療法や圧迫による内容物の排出なども、一時的に小さくなることはあっても、袋が残存するため根本的な解決にはならないのです。むしろ、無理に内容物を押し出そうとすると、袋が破れて炎症を引き起こしたり、細菌感染のリスクを高めたりする可能性があります。
小さな粉瘤で症状がなく、美容的にも問題がない場合には、経過観察という選択肢もあります。ただし、自然に消失することはないため、将来的に大きくなったり炎症を起こしたりする可能性があることを理解しておく必要があるでしょう。
レーザー治療の位置づけ
一部の医療機関では、炭酸ガスレーザーなどを用いた粉瘤の治療が行われることがあります。レーザーで皮膚に小さな穴を開け、内容物を排出して袋を摘出する方法で、くり抜き法に近い考え方の治療法です。
くり抜き法で穴を開ける際に炭酸ガスレーザーを用いた場合は保険適用で受けられることもあり、出血が少なく創部が小さく済むという利点があります。ただし、すべての粉瘤がレーザー治療の適応になるわけではなく、大きさや部位、炎症の有無によっては適切な治療法が異なります。そのため、どの方法が適切かは医師の診察で判断されます。
レーザー治療を検討する際には、保険診療での手術との違いや費用、再発のリスクなどについて、医師から十分な説明を受けることが大切です。自身の粉瘤の状態や希望、経済的な状況を総合的に考慮して、最適な治療法を選択するとよいでしょう。
まとめ
粉瘤は誰にでも生じる可能性がある良性の皮膚腫瘍ですが、放置すると徐々に大きくなり、炎症やにおいなどの問題を引き起こすことがあります。できやすい人の特徴を理解し、早期に発見することで、小さいうちに治療を受けることが可能となります。手術費用は保険適用で数千円〜1万円台が一般的であり、治療方法も複数の選択肢があります。においや美容面での悩みも含め、気になる症状があれば皮膚科や形成外科を受診し、専門医と相談しながら適切な治療を受けることをおすすめします。
参考文献
公益社団法人日本皮膚科学会「皮膚科Q&A 粉瘤(アテローム)」
慶應義塾大学病院医療・健康情報サイト「粉瘤(アテローム)」
公益社団法人日本形成外科学会「粉瘤(アテローム・表皮嚢腫)」
厚生労働省「外科手術の保険点数について」

