脳梗塞を防ぐ! 「心房細動」と診断されたら必ず知るべき抗凝固薬治療の基本とは

脳梗塞を防ぐ! 「心房細動」と診断されたら必ず知るべき抗凝固薬治療の基本とは

不整脈の治療は、そのタイプや重症度、原因となる疾患によって大きく異なります。薬物療法から始まり、カテーテルアブレーション、ペースメーカー植込みなど、多様な治療選択肢が存在するのです。それぞれの治療法には特徴があり、患者さんの状態に応じて適切な方法が選択されます。ここでは、不整脈の主な治療法について、その特徴と効果、適応について詳しく説明します。

小坂 真琴

監修医師:
小坂 真琴(医師)

2022年、東京大学医学部卒業
2022年4月~2024年3月、今村総合病院(鹿児島県鹿児島市)で初期研修を修了
2024年4月よりオレンジホームケアクリニック(福井県福井市) 非常勤医師として在宅診療を行いながら、福島県立医科大学放射線健康管理学講座大学院生として研究に従事
2025年10月よりナビタスクリニックに勤務
週1度、相馬中央病院 (福島県相馬市) 非常勤医師として内科外来を担当

不整脈の治療法と管理

不整脈の治療は、その種類や重症度、原因となる疾患の有無によって大きく異なります。薬物療法、カテーテルアブレーション、ペースメーカーなど、さまざまな治療選択肢があります。

薬物療法による治療

不整脈の治療において、抗不整脈薬は重要な選択肢の一つです。抗不整脈薬は心臓の電気的な性質に作用し、異常なリズムを正常化させる働きがあります。ただし、薬剤の選択は不整脈のタイプによって異なり、専門医による慎重な判断が必要となるでしょう。
頻脈性不整脈に対しては、心拍数を抑制するベータ遮断薬やカルシウム拮抗薬が用いられることが多いです。これらの薬剤は交感神経の作用を抑えることで、心拍数を低下させ、動悸の症状を軽減します。心房細動に対しては、リズムコントロール(正常なリズムに戻す)とレートコントロール(心拍数を調整する)という二つの治療戦略があります。
さらに、心房細動では血栓形成のリスクが高まるため、脳梗塞予防のための抗凝固療法が重要となるでしょう。ワルファリンや直接経口抗凝固薬(DOAC)が処方され、血液が固まりにくくなることで脳梗塞のリスクを低減します。抗不整脈薬には副作用のリスクもあり、まれに新たな不整脈を誘発することもあるため、定期的な診察と心電図検査によるモニタリングが必要です。

非薬物療法と手術的治療

薬物療法で効果が不十分な場合や、根治的な治療を希望する場合には、カテーテルアブレーション治療が選択肢となります。この治療法は、カテーテルを血管から心臓内に挿入し、不整脈の発生源となる異常な電気回路を高周波エネルギーや冷凍凝固により焼灼する方法です。
発作性上室性頻拍や心房粗動、一部の心房細動や心室性期外収縮に対して高い成功率が報告されており、根治が期待できる治療法とされています。入院期間は通常2〜3日程度で、多くの方で術後の抗不整脈薬の減量や中止が可能となります。徐脈性不整脈や高度な房室ブロックに対しては、ペースメーカー治療が行われます。ペースメーカーは小型の装置を鎖骨下に植え込み、リード線を心臓内に留置して、必要に応じて電気刺激を送ることで心拍を維持します。手術は局所麻酔下で行われ、通常1〜2時間程度で完了します。
致死的な心室性不整脈のリスクが高い方に対しては、植込み型除細動器(ICD)が適応となることがあります。ICDは危険な不整脈を自動的に検出し、電気ショックを送ることで正常なリズムに戻す装置です。突然死の予防に有効とされています。
心房細動に対する外科的治療としては、メイズ手術があります。これは心房に複数の切開を加えることで異常な電気回路を遮断する方法で、他の心臓手術(弁膜症手術など)と同時に行われることが多いです。

まとめ

不整脈は誰にでも起こり得る症状ですが、その中には生命に関わる危険なものも含まれます。動悸や胸の違和感、めまいといった症状を感じた際には、自己判断せずに医療機関を受診することが重要です。特に失神や強い胸痛を伴う場合には、速やかな受診が求められるでしょう。
不整脈の原因は心臓の疾患だけでなく、ストレスや生活習慣、加齢など多岐にわたるため、総合的な評価が必要となります。適切な診断と治療により、多くの不整脈は良好にコントロールでき、突然死のリスクも大幅に軽減できるのです。気になる症状がある方は、循環器内科の専門医にご相談ください。

参考文献

国立循環器病研究センター「不整脈」

配信元: Medical DOC

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