ランゲルハンス細胞組織球症の治療
ランゲルハンス細胞組織球症の治療は、単一臓器型と多臓器型で以下のように異なります。
単一臓器型の治療
単一臓器型では自然治癒が期待できるケースも多いです。
無治療で経過観察をすることが多いですが、掻把(組織の摘出)の他、ステロイド局所注射や、低線量の放射線照射などを行うケースもあります。
強い痛みや視神経の圧迫、中枢神経系の症状が起きている場合は、化学療法を選択することもあります。
多臓器型の治療
多臓器型の治療では、主に化学療法が用いられます。
しかし、標準的な化学療法を1年間施行しても効果が見られず、病状が進行する場合は、より強力な治療法が検討されます。その場合、白血病や悪性リンパ腫の治療に用いられる「クラドリン」や「シタラビン」などの薬剤投与、あるいは造血幹細胞移植も検討されます。
再発例に対しては、クラドリンの投与のほか、骨粗鬆症の治療薬である「ビスフォスフォネート」を使用することもあります。
ランゲルハンス細胞組織球症になりやすい人・予防の方法
ランゲルハンス細胞組織球症になりやすい人は明確にわかっていません。
発症原因では遺伝子の発がん性変異が有力とみられているものの、他にもさまざまな発症要因が指摘されているため、現時点では予防法も確立されていません。
また、遺伝的背景の影響の指摘もありますが、これまでのところ遺伝とこの病気の発症にはそれほど強い関連性がないと考えられています。
ランゲルハンス細胞組織球症は、適切な治療により改善や治癒が期待できる疾患です。早期発見と早期治療が重要であるため、疑わしい症状が現れた場合は、できるだけ速やかに医療機関を受診することが推奨されます。
病気が進行する前に専門医による適切な診断と治療を受けることが、合併症のリスクを軽減するうえで重要です。
関連する病気
尿崩症成長障害
甲状腺機能低下
性腺機能障害
肺線維症硬化性胆管炎
参考文献
国立研究開発法人国立成育医療研究センターランゲルハンス細胞組織球症(LCH)|小児がん
小児慢性特定疾病情報センター「ランゲルハンス(Langerhans)細胞組織球症
一般社団法人日本小児神経外科学会H-12.ランゲルハンス細胞組織球症
日本ランゲルハンス組織球症研究グループランゲルハンス細胞組織球症:Langerhans cell histiocytosis (LCH)ってどんな病気?
一般社団法人日本小児血液・がん学会6章ランゲルハンス細胞組織球症LCH
NPO法人日本小児がん研究グループランゲルハンス細胞組織球症(LCH)の解説

