
12月11日に放送された野球トークバラエティ「ダグアウト!!!」(毎週木曜夜10:00-11:00、BS10)。今回のゲストは先週に続いてほぼ番組準レギュラーの川崎宗則と、日本ハム・オリックス・阪神で活躍し「超人」の愛称で親しまれた糸井嘉男だ。MCの真中満とレッド吉田とともに、知られざる現役時代の裏話から監督論まで笑いの絶えない濃密なトークが繰り広げられた。
■「年々、肩幅が広くなってる」糸井嘉男のフィジカルは引退後もパーフェクト
スタジオに登場した糸井は、姿を見た真中が思わず「年々、肩幅が広くなってる」と驚くほど見事な筋肉質。現役引退から3年経った今もトレーニングは欠かさず、ベンチプレスはなんと150kgを上げるという。糸井自身も「(現役時代より)今のほうが上がってます」と語り、真中とレッドを驚愕させた。
川崎と糸井は同級生で松坂大輔の1歳下の世代にあたるが、同じチームでプレーしたことはない。当初、川崎は糸井の年齢を知らず、対戦時の一塁ベース上で「ナイスバッティングです」と敬語で声をかけていたという。しかしそれでもお互いに年齢の話題にはならなかったため、川崎は「ベンチで選手名鑑を読んでいた」と告白。意外な人見知りっぷりに、スタジオは大きな笑いに包まれる。
現役時代の川崎の印象を聞かれた糸井は、「うるさかったですね」と即答。ダルビッシュ有に誘われて初めて川崎と食事に行った際も、「最初、緊張気味に行ったんやけど疲れて帰りましたよ」と振り返った。さらに「次の日の試合ではもっとうるさかった」と続けるなど、番組で見せるハイテンションで明るい川崎のキャラクターは現役時代から健在だったようだ。
一方の糸井について川崎は、「身体能力お化け」と表現。フリーバッティングではとんでもない打球を飛ばすが、特にテクニカルなことをしないシンプルな打ち方と評した。しかし糸井はもともと投手から野手に転向した選手であり、「取ってつけたような野手」と自身を表現。野手へ転向した当時は書店でバッティングの教則本を購入して勉強していたと告白すると、意外すぎるエピソードに真中とレッドは驚きの声を上げた。
■田中将大に藤川球児…今明かされる名選手たちの凄みと意外な素顔
番組中盤のコーナー「一言deどんなひと?」では川崎が田中将大のカードを引き、「チェストな子」と表現。「頑張れ」「いいぞ」という意味あいで使われる鹿児島弁であり、川崎がたびたび口にする言葉だ。
田中が18歳の頃に対戦した川崎は、鋭いスライダーを空振りしつつもヒットを放って攻略。しかし2年目、3年目になると田中の球種も増えていき、「18歳の時から21歳・3年目で全然違う。毎年進化していく」と絶賛する。さらにメジャー移籍後の田中との対戦秘話も飛び出し、田中の進化速度の凄まじさを改めて振り返った。
続いて糸井が引いたのは、2025年から阪神の監督に就任した藤川球児のカード。糸井は「火の玉采配」と表現すると、スタメンを休ませたり先発投手を早い段階で交代させたりといった大胆な采配に驚かされたと語る。
さらに「僕をキャンプの臨時コーチに指名したのはすごいと思った。これってギャンブルです」答えると、スタジオには大きな笑いが巻き起こった。藤川が糸井を起用した背景には、佐藤輝明のさらなる成長を促したいという狙いがあったという。キャンプでは大谷翔平の練習法を参考に「クリケットバット」を取り入れるなど、新たな試みがおこなわれたことも明かされた。
■超人×ムネリンが生むユーモアと本音…互いの魅力が引き出す化学反応
番組の終盤に話題に上がったのは、「監督要請が来たら?」というテーマ。糸井は「スーパーヘッドコーチがついてくれるんであれば」と前向きな回答をしてスタジオを盛り上げる。そこにレッドが「スーパーヘッドコーチは誰にしましょう?」と問うと、糸井はすぐさま真中を指名。キラーパスを受けた真中は「俺でいいの?一回考えさせて」と戸惑い、スタジオを揺らした。
今回の放送で印象的だったのは、お笑い芸人顔負けのトーク力が光った糸井と川崎の天性の明るさ。それらの要素が絶妙なバランスで混ざり合い、あっという間に時間が過ぎていった印象だ。スタジオには常に笑いが絶えず、MCの真中とレッドが2人の勢いに圧倒される場面もあったほど。
同級生でありながら、これまで一度も同じユニフォームを着たことのない2人がこうして並ぶことで、互いの魅力がより鮮明に浮かび上がった今回の「ダグアウト!!!」。野球の技術や記録だけでは語り尽くせない、選手の人間味が存分に伝わる放送回だった。

