帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)の再活性化によって発症する病気で、皮膚に強い痛みや赤い発疹、水ぶくれが現れるのが特徴です。多くの方が子どもの頃に水ぼうそうにかかっており、そのウイルスが体内に潜伏しているため、年齢や体調によっては誰にでも再発する可能性があります。
本記事では、帯状疱疹の初期症状や診断方法、治療内容、必要な診療科などを整理してご紹介します。症状の進行や合併症を防ぐために、どのようなタイミングで医療機関に相談するべきかも詳しく解説します。

監修医師:
林 良典(医師)
消化器内科
呼吸器内科
皮膚科
整形外科
眼科
循環器内科
脳神経内科
眼科(角膜外来)
帯状疱疹の初期症状と診療科目

帯状疱疹ではどのような初期症状が現れますか?
帯状疱疹の初期には、皮膚にピリピリとした痛みや違和感が生じ、数日以内に赤い発疹や小さな水ぶくれが現れます。左右どちらか一方に限局し、神経の流れに沿って帯のように広がることが多く、胸や腹部、顔面などに出現します。なかには痛みだけが先に現れ、皮膚症状が遅れて出ることもあります。
帯状疱疹で受診する目安を教えてください
帯状疱疹は早期に治療を始めることで、重症化や後遺症のリスクを減らすことができます。皮膚にピリピリとした違和感や痛みを感じたら、発疹が出ていなくても受診を検討しましょう。発疹が出た場合はできるだけ早く受診し、正確な診断と治療につなげることが大切です。
帯状疱疹が疑われる際は何科を受診すればよいですか?
皮膚症状がある場合は皮膚科が適切です。皮膚の状態と神経の分布を見て診断されることが多いため、まず皮膚科の受診を検討しましょう。顔面や目の周囲に症状が出た場合は、眼科や耳鼻咽喉科など部位に応じた専門科への受診が必要になることもあります。
帯状疱疹は規模の大きい病院で診てもらうべきですか?
初期の帯状疱疹であれば、地域のクリニックや皮膚科でも診断と治療が可能です。全身状態が悪い場合や合併症が疑われる場合には、より専門的な対応ができる総合病院が適しています。症状の重さや出現部位に応じて判断します。
帯状疱疹の検査内容と診断基準

病院では帯状疱疹が疑われる患者さんにどのような検査を行いますか?
帯状疱疹は、皮膚にあらわれる発疹の特徴や痛みの出方など、診察時の所見から判断されることがほとんどです。ただし、発疹の形がはっきりしない場合や、ほかの病気との区別が難しいときには、ウイルスの有無を調べる検査が行われることもあります。
主な検査方法には、ツァンク検査(Tzanckテスト)や抗原検出法、PCR検査などがあります。ツァンク検査は水ぶくれの細胞を顕微鏡で観察する方法で、古くから使われています。抗原検出法には、蛍光抗体法やイムノクロマト法があり、患部を綿棒でこすってウイルスの成分を調べます。なかでもイムノクロマト法は短時間で結果が出るうえ、保険が適用されるため、現在は一般の医療機関でも使われています。
ほかに、ウイルスの遺伝子を調べるPCR検査や、ウイルスを培養する分離培養法、皮膚の組織を詳しく調べる病理検査などもありますが、これらは保険適用外で、通常の診療ではあまり行われません。
このように、帯状疱疹の検査にはいくつかの方法がありますが、実際の診断は症状の出方や発疹の分布などをもとに、医師が総合的に判断します。
帯状疱疹の診断基準を教えてください
帯状疱疹は、典型的な症状がそろっていれば、追加検査を行わずに診断できることが多い病気です。特に、神経の走行に沿って片側に現れる帯状の発疹と、それに一致した部位の神経痛がある場合には、臨床所見のみで診断が可能です。また、多くの患者さんには、水ぼうそうの既往がある点も診断の参考になります。
ただし、発疹が現れる前に痛みだけが先に出る前駆期や、非典型的な症状を示す場合は診断が難しくなることがあります。免疫力が低下している方や高齢者では、発疹がはっきり出ないケースもあるため、医師は経過観察を行いながら、検査を組み合わせて総合的に診断を進めます。

