中毒性表皮壊死症の治療
中毒性表皮壊死症の治療の第一は、原因となっている医薬品を速やかに中止することです。皮膚や粘膜の症状を抑える治療に加え、皮膚症状のある部分からの感染予防、輸液や栄養管理による全身の管理、厳重な眼科的管理が必要となるため、入院して治療を行います。
薬物治療では、早期に副腎皮質ステロイド薬の全身療法が効果を期待できるとされています。ステロイド薬の全身療法では、症状が進行しなくなったあとに慎重に減量します。
重症の場合は、発症から早い段階(7日前後)に高用量のステロイド薬を短期間集中して投与する「ステロイドパルス療法」が行われることがあります。症状に応じて、血漿を入れ替えるような(血漿交換療法)や免疫グロブリン製剤を大量に投与する治療(免疫グロブリン製剤大量静注療法)などの治療法も併用されます。
中毒性表皮壊死症は、致死率が20〜30%と重篤な病気ですが、早期に適切な治療を行うことにより回復が期待できる病気です。
中毒性表皮壊死症になりやすい人・予防の方法
中毒性表皮壊死症は、小児から高齢者まであらゆる年代で、年齢を問わずに発症しています。発症には特定の遺伝子型(HLA遺伝子型)が関係している可能性が高く、この遺伝子型をもつ方は発症リスクが高いといえます。
医薬品や感染症が中毒性表皮壊死症の発症のきっかけとなり、感染症ではマイコプラズマ感染、ウイルス感染にかかった場合に中毒性表皮壊死症になりやすい傾向があるとされています。医薬品では、痛み止めや解熱剤(消炎鎮痛薬)、抗菌薬、抗けいれん薬、高尿酸血症治療薬などを使用している方が中毒性表皮壊死症に多いとされています。
発症リスクの高いほかの要因としては、HIV感染、自己免疫疾患などの基礎疾患が報告されています。
中毒性表皮壊死症の明確な予防方法は確立されていません。中毒性表皮壊死症を発症した場合は、原因となった医薬品の名前を必ず「お薬手帳」に記載しておくことが重要です。
関連する病気
スティーブンス・ジョンソン症候群薬剤アレルギー(薬疹)
薬剤性過敏症症候群(DiHS/DRESS)
ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群
トキシックショック症候群(TSS)
伝染性膿痂疹
急性汎発性発疹性膿疱症
自己免疫性水疱症
参考文献
日本皮膚科学会ガイドライン 重症多形滲出性紅斑 スティーヴンス・ジョンソン症候群・中毒性表皮壊死症 診療ガイドライン 日皮会誌:126(9),1637-1685,2016
公益財団法人 難病医学研究財団/難病情報センター 中毒性表皮壊死症(指定難病39)
厚生労働省 重篤副作用疾患別対応マニュアル 中毒性表皮壊死融解症(中毒性表皮壊死症)(ライエル症候群、ライエル症候群型薬疹)
公益財団法人 難病医学研究財団/難病情報センター 概要・診断基準等 中毒性表皮壊死症
公益社団法人 日本皮膚科学会 Q1 「中毒性表皮壊死症」とはどんな病気ですか?
日本小児皮膚科学会 スティーヴンス・ジョンソン症候群・中毒性表皮壊死症

