仕事中に泥酔してバイトに暴言→翌日誰も出勤せず…。当事者女性が描くアルコール依存の恐ろしさ<漫画>

仕事中に泥酔してバイトに暴言→翌日誰も出勤せず…。当事者女性が描くアルコール依存の恐ろしさ<漫画>

一番の被害者は、自分の周囲の人達

――他にも、アルコール問題に向き合っていくなかで影響を受けた出来事はありましたか?

エクボ:
アルコール依存症に苦しんでいる人のYouTube動画を見たことで、大きく考えが変わりました。元TOKIOの山口達也さんの動画だったのですが、強く後悔している様子や、失ったものの大きさがすごく伝わってきました。

また、アルコール依存症の患者さんを支える人達の講演会も心に残りました。それまでの私は、「飲みたくて飲んでいるわけじゃない」「飲まないと何もできない」と考え、自分が一番大変でかわいそうだと思っていました。

でも動画を見たことで、自分の周りの人達が一番の被害者だと、やっと気づいたんです。涙ながらに苦しみを語る姿を見て、「私もこんなに辛い思いをさせているんだ」と考えるきっかけになりました。

――周りの方に、お酒を止めることを宣言したのですか?

エクボ:
「もうお酒を止める」と言いましたが、何度も失敗しました。そのたびに、また宣言していましたね。

決心して簡単に止められたわけではなく、2年半何度も周囲を裏切りながら、やり直し続けました。酒量が減り始めた最初の頃は、良い変化というより、お酒に対する恐怖で塞ぎ込むような状態で、「飲めなくなった」に近い状況でした。

仕事についても、読者の方は「早く辞めればいいのに」と思うかもしれません。でも「無職になって家に1人でいると際限なく飲んでしまうのでは」という恐れがありました。精神的に疲弊していたこともあって、酒量が減ってからようやく居酒屋を退職しました。

【依存症の相談窓口】

全国の保健所

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/hokenjo/

全国の精神保健福祉センター

https://www.zmhwc.jp/centerlist.html

<取材・文/都田ミツコ>

【都田ミツコ】
ライター、編集者。1982年生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。主に子育て、教育、女性のキャリア、などをテーマに企業や専門家、著名人インタビューを行う。「日経xwoman」「女子SPA!」「東洋経済オンライン」などで執筆。



配信元: 女子SPA!

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