ある日突然肩が痛くなり、腕が上がらなくなるのが50肩です。加齢が原因といわれており「年だから仕方ない」「病院に行くほどでもない」と放置されることが多い病気です。
しかし、きちんと対処すれば痛みも和らぎ、早期の改善が見込める病気でもあります。ここでは症状や治療方法をみていきましょう。
また、自分でできるケア・予防方法も紹介します。痛みが強いときには、医療機関を受診することで格段に改善が可能です。
肩こりと混同されることも多く、他の肩の病気という可能性もあります。中には早い処置が必要な病気もあるため、「痛い」と感じたのなら早めの受診がおすすめです。
※この記事はメディカルドックにて『「50肩」とは?症状・治療法・予防法についても解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
田中 栄(医師)
東京大学医学部医学科卒業。その後、東京大学医学部附属病院整形外科研修医、Yale大学医学部整形外科留学、東京大学医学部附属病院整形外科助手、東京大学大学院医学系研究科外科学専攻整形外科学准教授、東京大学大学院医学系研究科外科学専攻整形外科学教授、東京大学医学部附属病院副院長を務める。2021年より東京大学医学部附属病院副院長、東京大学大学院医学系研究科附属疾患生命工学センター副センター長。
50肩は治療が必要?

50肩は治療で改善しますか?
「自然に治る」といわれますが、医療機関で治療することで早期の改善が見込めます。治療をせずに放置すると、悪化するリスクもあります。しかし、50肩は加齢が原因の病気です。老化によっておこった肩間接周りのダメージを、完全に元通りにすることは難しいと考えられています。まずは痛みを取り除く治療をしましょう。
痛みが治まったら、運動やストレッチなどのリハビリが効果的です。適切なリハビリを行うことで、再発を防げると考えられています。特にデスクワーク中心の仕事をしている方は、肩にダメージを受けやすくなっています。仕事の合間に、肩をほぐす運動やストレッチがおすすめです。
50肩の治療方法を教えてください。
強い痛みがある場合は、肩の中で炎症が起こっています。このときに肩を動かすリハビリをすると、痛みはさらに強くなってしまいます。三角巾やアームスリングなどを使って安静にし、消炎鎮痛剤(痛み止め)の内服・注射が効果的です。
運動療法などのリハビリは、痛みが治まってから開始しましょう。痛みが治まった後に放置すると、肩周辺が固まって可動域が狭くなることがあります。ストレッチや振り子運動で、肩関節をほぐし、肩関節の可動域を広げます。
また、温熱療法も有効です。患部を温めることで、血行がよくなり治癒に繋がります。医療機関での温熱療法では、ホットパックやマイクロ波などの器具を使う治療が一般的です。
自分でできるケア方法や予防方法も教えてください。
予防するためには、日常的に肩を動かすことが大切です。長時間のデスクワークやパソコンでの作業のあとは、ストレッチをしましょう。ストレッチや軽い運動を日常生活に取り入れて、肩関節を動かすことが50肩の予防になります。胸郭ストレッチや振り子体操、肩甲骨を上下させる体操が効果的です。
また、体を冷やさないことも大切です。入浴時には肩までしっかりと湯につかるように心掛けましょう。血行をよくするためには温めることが必要ですが、痛みがあるときには患部を冷やすことも効果的です。冷湿布などのアイシングをしましょう。
50肩は「治りかけてはぶり返す」を繰り返す病気です。痛みがなくなれば油断して、ストレッチや運動を怠るためにぶり返すと考えられています。痛みがなくてもストレッチを欠かさないことが大切です。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
50肩は加齢が原因で起こる病気です。年齢とともに、身体は衰えていきます。しかし、衰えたからといって使わなければ、さらに身体は老化してしまいます。予防のためにも、適度な運動を日常に取り入れることが大切です。
また、身体全体の健康を維持するためには、バランスの良い食事も必要です。サプリメントなども取り入れて、食事の偏りに気を付けてください。
食事と運動、規則正しい生活が中高年の健康を保つ基本となります。
編集部まとめ

50肩は一般的に「自然に治る」といわれています。しかし、我慢できない激しい痛みが伴うこともあります。更に放置していると、痛みが治まっても肩の可動域が狭くなる可能性が高いです。
50肩をこじらせて肩が動かなくなり、外科手術を行うこともあります。肩には筋肉や血管が豊富にある場所で、上半身の要所です。
肩の冷えや運動不足により、血液の流れが悪くなると50肩が発症しやすくなります。上半身の適度な運動や冷えに気を付けることで、予防することが大切です。
適切なときに適切な治療をおこなうことで、早期の改善を目指しましょう。
参考文献
四十肩・五十肩という思い込みに要注意!早期診断が大切な「腱板断裂」とは|Johnson&Johnson

