日本初上陸!東京タワーで名画に「入る」体験を。プラド美術館×VRが魅せる没入型アートの新境地

上海で10万人、アルゼンチンで2万人を動員し、世界中で称賛されたこの没入型展覧会がいよいよ日本初上陸。単に絵を「見る」のではなく、絵画の中へ「入り込み」、画家の魂や描かれた人物の息遣いに触れる――そんな新しいアート体験の見どころを、美術ファン視点で徹底解説します。

「額縁」を超えて名画の世界へ。VRで感じる新たな鑑賞体験

本展の最大の魅力は、最先端のVR技術によって名画が3次元空間として再構築されている点です。通常の美術館では、作品保護の観点からガラス越しや柵越しに鑑賞するのが一般的ですが、本展ではVRヘッドセットを装着することで、その物理的な距離が一気に消滅し、VRならではの新たな鑑賞体験を味わえます。

超高解像度での「拡大」体験

肉眼では捉えきれない筆致の細部や、絵画の奥に隠された小さなシンボルまで鮮明に鑑賞できます。

絵画空間への「没入」と「歩行」

名画の背景となっている部屋や風景の中を自由に歩き回る感覚。2次元の絵画が3次元の世界として立ち上がります。

登場人物との「対話」

インタラクティブな仕掛けにより、まるで描かれた人物とコミュニケーションを取っているかのような感覚を味わえます。

注目の展示作品と見どころ

本展ではプラド美術館を代表する傑作がVR化されています。ここでは特に注目の作品と、VRで体験すべき見どころをご紹介します。

ディエゴ・ベラスケス『ラス・メニーナス』(1656年)

ベラスケス『ラス・メニーナス』(1656)ベラスケス『ラス・メニーナス』(1656)

「絵画芸術の神学」とも称される、世界美術史上もっとも重要な作品の一つです。マルガリータ王女を中心に、画家のベラスケス自身、そして鏡に映る国王夫妻が描かれたこの作品は、複雑な視線の交錯が最大の謎であり魅力です。

【VRでの見どころ】
この絵画独自の「奥行き」に入り込むことで、ベラスケスがキャンバスに向かっている位置や、国王夫妻の視点(鑑賞者の視点)を空間的に体感できるはずです。王女のドレスの質感や、空間を支配する光と影の空気感を肌で感じてください。

ヒエロニムス・ボス『快楽の園』(1490–1500年)

ヒエロニムス・ボス『快楽の園』(1490–1500)ヒエロニムス・ボス『快楽の園』(1490–1500)

中世末期に描かれたこの三連祭壇画は、天国、現世、地獄が極めて緻密かつ奇想天外なクリーチャーたちと共に描かれています。あまりの情報量の多さに、肉眼ですべてを把握するのは不可能と言われる作品です。

【VRでの見どころ】
VRであれば、群がる奇妙な生物や、地獄の拷問器具などの細部を徹底的に拡大して観察できます。ボスの脳内に渦巻いていた狂気とユーモアのディテールを、これまでにない解像度で目撃することになるでしょう。

フランシスコ・デ・ゴヤ『魔女の安息日』(1819–1823年)

ゴヤ『魔女の安息日』(1819–1823)ゴヤ『魔女の安息日』(1819–1823)

ゴヤが晩年に自身の家の壁に描いた「黒い絵」シリーズの1つ。陰鬱でありながら、見る者を惹きつけてやまない魔術的な力が宿っています。

【VRでの見どころ】
巨大な山羊(悪魔)を取り囲む魔女たちの不気味な表情や、集会の重苦しい空気が、VR空間全体を包み込みます。ゴヤが晩年に見つめていた内面的な闇の世界に、自分自身が迷い込んだかのような戦慄と感動を体験できるでしょう。

配信元: イロハニアート

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