農山漁村地域の活性化を目的とし、農業・暮らし・文化・歴史などの全国各地の地域資源の掘り起こしと、地域と都市の交流支援などを行う全国農協観光協会は、2026年1月31日(土)、日本教育会館一ツ橋ホールにて、第36回 民俗芸能と農村生活を考える会「一之瀬高橋の春駒(いちのせたかはしのはるこま)」公演を開催する。現在、事前申し込みを受け付けている。
失われかけた文化がいかにして継承されたのか
「民俗芸能と農村生活を考える会」は、農村に伝わる伝統芸能を通して、その背景にある地域の暮らしや現状を都市住民と共に考えることを目的に、平成元年より開催されている。
第36回となる今回取り上げるのは、山梨県甲州市塩山一之瀬高橋地区に伝わる「一之瀬高橋の春駒」。かつては小・中学校で継承活動が行われていたが、過疎高齢化の進行により、平成元年(1989年)を最後に集落での活動は途絶えてしまったという。
しかし、保存会の情熱により、平成20年(2008年)に甲州市塩山の市街地において復活。「地域から人が減っても、文化は守り抜く」という強い意志の象徴として、現在は1月の披露や出張公演などで活躍しているという。
今回は「一之瀬高橋の春駒」を招聘し、地域の暮らしや復活の背景を知る解説とともに、迫力の公演を無料で見ることができる。単なる鑑賞にとどまらず、一度失われかけた文化がいかにして継承されたのか、その「民俗文化の背景」にも迫る。
知識を深める第1部と、芸能を鑑賞する第2部で構成
第36回 民俗芸能と農村生活を考える会「一之瀬高橋の春駒」公演は、知識を深める第1部と、実際の芸能を鑑賞する第2部で構成される。
第1部では、山梨県甲州市の紹介や、「一之瀬高橋の春駒」の概要、そして継承活動の道のりを画像等を用いて詳しく解説、民俗文化の背景を探る。芸能が生まれた風土や歴史的背景を知ることで、続く公演をより深く味わうことができる。
第2部では、民俗芸能の特別公演「一之瀬高橋の春駒」を鑑賞。道祖神祭りの芸能である「春駒」は、村人の歌声にあわせ、白馬に騎乗した姿を表す「ウマ」と、その露払いがペアになって踊る。祝儀の返礼を手渡す「弁慶」の練りなど、地域の人々の幸せを願う、熱気あふれる演目を見ることができる。
