漢方薬は自然由来の成分で作られており、体に優しいというイメージがありますが、使用方法や体質・体調によっては、腎臓に負担をかけることもあるそうです。そこで今回は、漢方薬が腎臓に与える影響や安心して服用するためのポイントなどについて、「板橋腎リウマチ隼聖クリニック」の上野先生に解説していただきました。

監修医師:
上野 智敏(板橋腎・リウマチ隼聖クリニック)
鹿児島大学医学部医学科卒業。筑波大学大学院人間総合科学研究科修了。その後、飯塚病院、虎の門病院、複数の医療機関で経験を積む。2023年、東京都板橋区に「板橋腎・リウマチ隼聖クリニック」を開院。医学博士。日本内科学会認定総合内科専門医、日本腎臓学会専門医、日本リウマチ学会専門医、日本透析医学会専門医、日本高血圧学会専門医。
編集部
漢方薬であれば、腎臓に負担はかからないですか?
上野先生
漢方薬は生薬由来であり、リスクや副作用がないというイメージがあるかもしれません。しかし、そんなことはなく、れっきとした化学物質なので、成分によっては腎臓に負担がかかってしまう、あるいは腎臓を攻撃してしまうこともあります。
編集部
安全に服用するためには、どうしたらいいのでしょうか?
上野先生
西洋薬と一緒で、漢方薬も体の状態や症状に応じて処方や量を調整する必要があります。体に合わない薬を飲み続けていると効果がなかったり、むしろ逆効果になったりするので、医師の処方に基づいて服用することが重要です。また、漢方薬はインターネットでも購入することができますが、腎臓が悪くなっていることに気づかず飲み続けて、さらに悪化するケースも見受けられます。腎臓だけではなく、肝臓や肺を痛める可能性もあるため、どういう漢方薬をどのくらい服用するかは、自己判断すべきではないと思います。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
上野先生
自然由来のものに対して意識が高まっているのは良いことですが、漢方薬を個人で購入するのにはリスクも伴います。あくまでも「薬」と考え、その人に合ったものを飲んでこそ効果があるので、漢方薬の服用を開始したいときや、飲み続けていて不安な点があるときは、かかりつけ医に相談しましょう。
※この記事はメディカルドックにて<「漢方薬」は腎臓に悪いって本当? 安全に服用するポイントも医師が解説!>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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