人々の健康意識が高まっている近年、毎日サプリメントを摂取する習慣がある人も多いのではないでしょうか。しかし、サプリメントの安全性について、しっかりと考えたことはありますか? 健康維持や美容、体調管理のためにサプリメントを活用する人が増える一方で、適切な選び方や服用方法に不安を感じる人も少なくありません。そこで今回は、安心・安全にサプリメントを選ぶためのポイントについて、「板橋腎リウマチ隼聖クリニック」の上野先生に解説していただきました。

監修医師:
上野 智敏(板橋腎・リウマチ隼聖クリニック)
鹿児島大学医学部医学科卒業。筑波大学大学院人間総合科学研究科修了。その後、飯塚病院、虎の門病院、複数の医療機関で経験を積む。2023年、東京都板橋区に「板橋腎・リウマチ隼聖クリニック」を開院。医学博士。日本内科学会認定総合内科専門医、日本腎臓学会専門医、日本リウマチ学会専門医、日本透析医学会専門医、日本高血圧学会専門医。
編集部
サプリメントを選ぶ際、気をつけることはありますか?
上野先生
第一に知っておいていただきたいのは、サプリメントはあくまでも栄養補助などを目的としており、薬の代替にはならないということです。特定の症状や疾患を治療する目的で服用するものではないので、改善したい症状や疾患がすでにある場合は、まず医療機関に相談することが大切です。また、サプリメントの「質」についても気にするようにしてください。特にビタミンBには複数の種類があり、それぞれが干渉しあうので原則として別々で販売されています。ビタミン同士の相互作用などもあるため、やはり医療機関に相談してから開始するのが安心かと思います。
編集部
症状の改善にサプリメントは有効でないということでしょうか?
上野先生
そうとも限りません。貧血のある人に鉄を摂取してもらうなど、医療機関でサプリメントを処方することも増えてきています。医療機関での検査や診察結果に基づいて適切に処方されるサプリメントであれば、効果は十分に期待できます。
編集部
自分でサプリメントを選ぶ際のポイントはありますか?
上野先生
自身の不足している栄養素は自分ではわかりませんが、血液検査をすると数値として分かります。本当に自分の体に必要なサプリメントを摂ろうと思ったら、まずはかかりつけの先生に相談してみるのがおすすめです。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
上野先生
繰り返しになりますが、サプリメントはあくまでも現代人の忙しい生活で足りない栄養素を補助するものなので、「摂るだけで健康になる」と思って薬と同じ感覚で摂取してしまうのは間違いです。また、「たくさん摂れば摂るほど健康」という勘違いをして、必要以上に服用した結果、肝臓に障害を起こすケースも散見されます。安全かつ効果的にサプリメントの服用を続けるためには、かかりつけ医に相談してから選ぶことをおすすめします。
※この記事はメディカルドックにて<「サプリメント」は危険? 安全? 正しい選び方・摂り過ぎのリスクも医師が解説!>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
あわせて読みたい
- 「ビタミンAサプリ」の服用が向いている人とは?副作用も管理栄養士が解説!
──────────── - 「ビタミンCが不足すると現れる症状」はご存じですか?解消法も管理栄養士が解説!
──────────── - 「ミネラルの多い食品」は何かご存じですか?不足すると現れる症状も解説!
────────────

