多発性脳梗塞を予防する方法
減塩・適切な量のバランスのとれた食事
多発性脳梗塞では、高血圧が大きなリスクの一つです。アジア人では特に、塩分を摂ることで血圧が上がる人(食塩感受性高血圧)が多いと言われており、高血圧の予防・治療としては、1日6〜8gを目標とした減塩が効果的です。糖尿病、高コレステロール血症などの生活習慣病も多発性脳梗塞のリスクであり、適切な量のバランスの取れた食事をすることは、多発性脳梗塞の予防に重要です。魚を中心とし、オリーブオイルなどを使った地中海食やDASH食と呼ばれる食事は、生活習慣病や認知症の予防にも有効と言われており、日々の食事に取り入れると良いでしょう。
適度な運動
適度な運動は、肥満や糖尿病などの生活習慣病の予防になるだけでなく、多発性脳梗塞の予防にも効果的です。激しい運動である必要はないので、1日30分程度のウォーキングなどの有酸素運動を毎日続けるようにしましょう。
禁煙
喫煙は、肺の病気やがんのリスクを増やすだけでなく、動脈硬化や多発性脳梗塞のリスクにもなります。1日に吸うタバコの本数が多いほど、喫煙している期間が長いほど脳梗塞のリスクは上がることが知られているので、喫煙している場合はできるだけ早く禁煙を目指しましょう。
「多発性脳梗塞」についてよくある質問
ここまで多発性脳梗塞などを紹介しました。ここでは「多発性脳梗塞」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
多発性脳梗塞とラクナ梗塞の違いについて教えてください。
村上 友太(むらかみ ゆうた)医師
多発性脳梗塞は、脳の複数の場所に脳梗塞ができている状態を指す言葉です。一方、ラクナ梗塞は、太い血管から枝分かれする「穿通枝」と呼ばれる細い血管が詰まることで起きる脳梗塞のことで、脳梗塞の原因や病気のタイプを示す言葉です。多発性脳梗塞は「複数の場所に脳梗塞がある状態」であり、ラクナ梗塞は「脳梗塞の種類」なので、意味合いは大きく異なります。
脳ドックで見つかる多発性脳梗塞では、原因となる脳梗塞のタイプとしてはラクナ梗塞が最も多いですが、多発性脳梗塞では、他にも「心原性脳塞栓症」(心臓にできた血栓が脳に飛んで詰まるタイプ)や、血液が固まりやすい病気による脳梗塞などが原因となっていることもあります。

