主人公は、3人姉妹の真ん中の夢子。幼少期、保育園に通っていた夢子が3才のころ、保育士が夢子のある異変に気付く。そのころから、少しずつ家族のバランスに変化が起きて…
3歳のころ、保育園に通っていた夢子と姉・愛子。ある日のお迎え時、母は「夢子ちゃんに気になることがある…」と保育士に呼び止められました。保育士は夢子をいすに座らせると、「見てください。夢子ちゃんの足、左右が違うように見えません?」と言ったのです。母は「本当だ!左のほうが長い!」といってびっくりしたのです。
夢子の足の異変。受診しようとすると…
















いちばん下の妹・姫子が生まれたばかりで慌ただしく、夢子の足の異変には気づけなかった母。しかし、わかったからにはすぐに受診したいと、夫に相談します。しかし、夫は「普通に歩けてるんだから、受診なんか必要ないだろ」といい、母が夢子の受診のために生まれたばかりの三女を見ていてくれないかとお願いしても、協力してくれません。
仕方なく、夢子の母は実母に三女を預けることに。すると、今度は姉・愛子が、夢子が保育園に遅刻して母と2人で病院へいくことについてズルいと言い始め、母は困ってしまいました。
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「妹が休むなら、自分も休みたい」そう思うのはきょうだいあるあるですよね。母は姉に「わがまま」と言っていますが、まだ保育園児。普段、母は生まれたばかりの妹にかかりきりだし、受診とはいえ、夢子が母を独占するのをズルいと思ってしまうのもしかたないかもしれません。
それより気になるのは夫です。足の長さが違うという体の異変に気付いたら、心配で一刻も早く、受診したいですよね。夢子の母や祖母も同じ気持ちだったようですが、夢子の父はそうではなかったようです。折しも、三女が生まれたばかりで、赤ちゃん連れでの受診は大変なとき。祖母に頼れたのでよかったですが、親として、夢子の父には少しは協力してほしかったですね。
なお、左右の足の長さが違うという症状は、先天性(生まれつき)の場合と、後天的(生まれたあとに起こったもの)の場合があります。先天性の場合は、すねの骨の一部または全部の欠けや、股関節のずれ(股関節脱臼)、後天的な場合は、血管腫やレックリングハウゼン病、ペルテス病、関節炎などによる二次的影響などによるものである恐れがあります。左右の足の長さが少し違う(成長ストップ後、1㎝未満)ことは普通の人でもよくあり、何も問題がないこともあります。ただし、赤ちゃんや子どもの場合は歩行に影響することもあるので、左右の足の長さの違いに気づいたら、早めに小児整形外科を受診しましょう。
次の話を読む → 監修者:医師 神奈川県立こども医療センター 産婦人科 松井 潔 先生
愛媛大学医学部卒業。神奈川県立こども医療センタージュニアレジデント、国立精神・神経センター小児神経科レジデント、神奈川県立こども医療センター周産期医療部・新生児科等、同総合診療科部長を経て現在、同産婦人科にて非常勤。小児科専門医、小児神経専門医、新生児専門医。
著者:マンガ家・イラストレーター つきママ
