加藤和樹、中川晃教の“ダメ感”を絶賛「こんなにダメダメな、そしてそれが愛おしいと思うアッキーさんはなかなか見られない」

加藤和樹、中川晃教の“ダメ感”を絶賛「こんなにダメダメな、そしてそれが愛おしいと思うアッキーさんはなかなか見られない」

ミュージカル「サムシング・ロッテン!」開幕直前取材・公開ゲネプロより
ミュージカル「サムシング・ロッテン!」開幕直前取材・公開ゲネプロより / ※ザテレビジョン撮影

12月18日、ミュージカル「サムシング・ロッテン!」の開幕直前取材・公開ゲネプロが行われ、取材会に中川晃教、加藤和樹、石川禅、大東立樹(CLASS SEVEN)、矢吹奈子、瀬奈じゅんと、演出を手掛ける福田雄一が出席した。

■中川晃教&瀬奈じゅんが続投、他は新キャストに

同作は、シェイクスピア作品をはじめとするミュージカルや演劇の名作たちを大胆にパロディにしながらも、演劇への愛と情熱を詰め込んだコメディーミュージカル。ブロードウェイで2015年に初演され、トニー賞で1部門受賞・9部門ノミネートを果たした。

日本では、福田演出のもと2018年に初演を迎え、そこから7年の時を経て、12月19日(金)から2026年1月2日(金)まで東京国際フォーラム ホールCにて、2026年1月8日(木)から12日(月)まで大阪・オリックス劇場にて再演を果たす。

前作から引き続きニック役を務める中川、ビー役の瀬奈のほか、新キャストとして、シェイクスピア役に加藤、ノストラダムス役に石川、ナイジェル役に大東、ポーシャ役に矢吹が出演する。

■加藤和樹「年末年始に笑いを届けられる、すごくすてきな作品」

登壇した中川は「7年ぶりのこの作品ということで、必ずこの作品でまた僕はトップになりたいと思っていました。しかし名前はボトムと。このシャレもあるんですけれども、とっても楽しい作品です。全身全霊で挑みたいと思います」と意気込む。

続く加藤も「初めての福田組ということで緊張感もありながら、しかし、みんなで力を合わせて稽古を重ねてまいりました。必ずこの年末年始に笑いを届けられる、すごくすてきな作品になっていると思いますので、どうぞよろしくお願いいたします」とアピールした。

石川は「私も初めての福田さんの演出で、座組の仲間たちと一丸となって、お客様に笑いを届けられるようたくさんたくさんお稽古を積んで頑張ってまいりました」と振り返り、「滅多に言わないんですけど、皆さんチケットをゲットしていただかないと、ひょっとしたら売り切れる可能性があるのでお早めに!」と伝えた。

矢吹も「私も福田さんの演出は初めてで、稽古場から本当に皆さんが自由にやられてるのを見て、本当に楽しくて」と回顧する。「笑える作品だと思うので、年末は笑い締めしていただきたいですし、年始もあるので、2026年の笑い始めにもしていただけたらと思います」と呼び掛けた。

また、「とにかくアッキーさん(中川)と兄弟役を演じられる日が来るとは思っていなかったので、本当に幸せな気持ちです」と感激した様子を見せた大東は、福田から「お母さんが瀬奈じゅんさんの追っかけだから、そっちの喜びもあるんだよね」と横から明かされ、照れ笑い。「瀬奈さんとアッキーさんと家族っていうことに、本当に幸福感を感じています」とはにかんだ。

そんな瀬奈は「またいつものごとく、いろんなことをさせていただいております」と笑顔を見せつつ「奈子ちゃんも言ってはいたけど、本当に笑える作品だと思いますので、笑い納めは『サムシング・ロッテン!』で、笑い始めも『サムシング・ロッテン!』でお願いしたいと思います」と重ねた。

福田監督は「僕の仕事は基本的に今日で終わりなので、そんなに意気込みはない(笑)」ときっぱり。「本番に入ったらダメ出ししないんですよ、一切。お客さんと同じ目線になっちゃってるからと思うんですけど…」と明かし、「いろいろ足しはしますけど、ダメ出しはしないんで、それぞれ気をつけて頑張ってください」とキャスト陣にエールを送った。

■稽古のスピード感に驚きも「自然と体の中に役や作品の大事なポイントが落ちてきた」

ここまでの仕上がりと初日に向けての意気込みについては、「稽古場初日から通し稽古という…。福田さんの演出が7年ぶりだったので、瀬奈さんに『最近はこんな感じなんですか?』と聞いたら『最近は割とこういう感じだね』と、アップデートされていることを知りながら…」と、稽古場で戸惑ったことを明かした中川。

「でもきっと、その分だけ回数を重ねて通し稽古をすることができたので、自然と体の中に役や作品の大事なポイントが落ちてきたなという実感があります。いろいろなスタイルの稽古のやり方があると思うんですけども、やっぱり唯一無二の福田さんのカンパニー、そこには毎回情熱がしっかりと詰まっているので、きっと最高の初日を迎えることができると思います」と自信をのぞかせた。

加藤も「本読みの1週間後にはもう通し稽古するという、正直そのスピード感にちょっと驚きもありつつ」と、稽古の進み具合にびっくりしたと同意する。

続けて「新たな自分に出合えているんですよね。僕のファンもそうだし、今までいろいろなミュージカルを見てきた本当に目の肥えているお客さんたちも『え、何これ!?』と思うようなものが飛び出てくる作品。宝箱のような感覚で『どんな物が次のシーンで出てくるんだろう?』と楽しんでいただけるものを、みんなで作り上げてきた自負があります」と胸を張った。

また、中川との共演や、自分ならではのシェイクスピア役を演じるこだわりを尋ねられると、「アッキーさんとは今年も別の作品で共演させていただいたりとか、僕が勝手にバディ感を感じているんですけれども。やはりアッキーさんとだからこそ出来るニックとシェイクスピアの関係性が、お客さまに伝わったらいいかなと思っています」と回答。

そんな加藤に中川は、「言うのもおこがましいんですけど、和樹さんの新しい一面が花開こうとしている」とコメントする。福田からも「和樹、こんな声出すことあるんだと思って(笑)」と言われた加藤は「いろいろ全部出します!」と宣言していた。

■福田雄一「今回もアッキーは本当に素晴らしい」

また、7年の時を経ての再演ということで、前回と違った今回の見どころについても質問が及ぶ。すると、福田と加藤、瀬奈が「いい意味で“ダメ感”が増している」と、中川の変化について口をそろえる。

「初演で若干残っていたミュージカル俳優のキラキラがいい意味で全く無くなっている。他の演目ではちゃんとキラキラしてるわけじゃないですか。ミュージカル俳優でダメ感出せる人なかなかいないと思うんですよ」(福田)「言葉はあれですけど、こんなにダメダメな、そしてそれが愛おしいと思うアッキーさんはなかなか見られない」(加藤)「ダメさが増していて、倍守りたいとか、倍愛おしいとか思えるので、かわいいです」(瀬奈)と、それぞれがニックの魅力を語った。

ベタ褒めされた中川は、喜びをあらわにしながら「コロナ禍に福田さんと番組で会うたびに、あの時暗い気持ちになってたけど、パッと福田さんと共通項で思い出せる作品がここだったっていうのもあって。7年間の中で、最初は福田さんが怖い人だという先入観があったけど、実は飛び込むとすごい優しい方なんだというのがだんだん分かってきて、ちょっと自分をさらけ出せるようになったのかなって。そういうので化学反応が起こっているのかな」と分析する。

さらに福田は「僕は役者さんと役作りの話は絶対しないことにしているんですけど、アッキーと最終稽古の前の日に初めてしたんですよ。ニックってこうあるべきだよねって話をさせてもらって。で、最終稽古が『何だったら永久にこの状態が続いたらいいね』というくらいニックが素晴らしくて。本番が始まる前にこんなに褒めるのもあれですけど、今回もアッキーは本当に素晴らしいと思って、それは見てほしいなと思います」と絶賛していた。

■大東&矢吹の空気感に加藤「心がホワホワっとあったかくなる」

劇中に大ナンバーを控えるノストラダムス役の石川は、やりがいや難しさを尋ねられ「やりがい、ありすぎですね」と答え、会場の笑いを誘う。

「めっちゃ長いんです。口開けっぱで歌っていて、唾を飲み込もうとすると吐きそうになるんですよ(笑)。それぐらい大変なナンバーなんですけど、でも同時に、こんなに楽しいナンバーは今まで歌ったことがなくて。この歳になってこんなに大きなナンバーを歌えるというのは本当にないんですよ。だから一回一回、本当に大事にやっていきたいと思ってます」と意気込んだ。

一方、注目ポイントについて「(矢吹との)掛け合いのシーンがあるんですけど、やっぱり毎日違くて、矢吹さんのポーシャが。リードしてくださってる感覚がすごいあるので、本番もめちゃくちゃ楽しみです」と語った大東。

矢吹は、自身の方が3歳上のペアだと言い、「相手役で年下の方って今までなくて。普段の関係性が出ているって、アッキーさんにも瀬奈さんにもおっしゃってもらったんですけど…」と明かす。

そんな2人に福田から「よく隅っこで打ち合わせしているけど、何話してるの?」と質問が飛び出し、大東が「僕がすごく馬鹿なことを思いついて共有すると、『ちょっと違うかな』って」と答えると、思わず「役のまんまやん!」と即座にツッコんだ加藤。

「役と結構近しい部分があったりもして、普段からのナイジェル・ポーシャ感みたいなものが出ていたらいいなというふうに思います」と矢吹も話し、その癒やしの空気感に加藤は「この2人のシーンを見て、お客さんがキュン死しないかなと心配です。心がホワホワっとあったかくなる…」と目を細めていた。

最後に中川が「この作品はちょうど年を跨いで上演されます。今年あった嫌なことも笑いで吹き飛ばしていただいて、そして新しい年は午年だそうです。そんな午というキーワードも、この物語の中に探していただいたりなんかして。楽しんでいただけるように心を尽くして頑張ってまいります」と伝え、取材会の幕を下ろした。

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