訪問診療という名前は聞いたことはあるけれど、通常の外来診療とどう違うのか、どんなときに選べばいいのかなど、わからないことが多いのではないでしょうか。そこで今回は「自分に合った医療」を選択するために、訪問診療のメリットや外来診療との違いなどについて、「ふじたあんしんクリニック」の藤田先生に解説していただきました。

監修医師:
藤田 正彦(ふじたあんしんクリニック)
東海大学医学部医学科卒業。東京慈恵会医科大学附属病院初期研修修了、南多摩病院総合診療科、調布市・川崎市のクリニックなどで経験を積む。2022年、神奈川県横浜市西区に「ふじたあんしんクリニック」を開院。2024年、医療法人縁を設立。日本救急医学会専門医。日本在宅医療連合学会、難病指定医。
編集部
自宅まで来てもらえる訪問診療は、外来診療よりも費用が高くなるのでしょうか?
藤田先生
訪問診療には、医師が訪問とする行為に対して診療報酬が加算されますが、保険が適用されるため費用負担は大きく変わるわけではありません。「通常の外来よりはやや高い」と認識していただけたらと思います。詳細は医療機関に相談して確認するのがおすすめですが、重症であったり、複数の処置が必要だったりする場合などは、費用の差はそこまで感じないかもしれません。また、年齢や状態によっては自己負担額に上限がありますので、そちらも調べてみてください。
編集部
訪問診療を始めるにはどうすればいいですか?
藤田先生
かかりつけ医や、お近くの訪問診療をおこなっているクリニックに相談してみましょう。介護認定を受けている場合はケアマネジャーなども相談に乗ってくれます。その後は、医師が患者さんの状況を評価し、適切な訪問診療プランを提案してくれます。
編集部
訪問診療について、ほかに知っておいた方がいいことはありますか?
藤田先生
「訪問診療は通常の外来と比べて、できない検査や治療が多いのでは?」と思っている人も多いと感じますが、実際はレントゲン検査や輸血、顕微鏡を使った検査や液体窒素でのイボ処置など、地域のクリニックとほとんど変わらない医療が提供できます。さらに、例えば緩和ケアで訪問診療を利用していただくと、例えば「最後に〇〇が食べたい」といった食事の要望や、アルコールやタバコなど嗜好品のご希望も、相談していただければ医師の判断で可能となることもあります。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
藤田先生
訪問診療なら、住み慣れた自宅にいながら、外来とほぼ同じレベルの検査や治療を受けることができます。体の負担を減らしつつ、安心して医療を受けられるのが大きな魅力です。「通院が難しくなってきた」「自宅での療養を考えたい」と思ったら、まずは主治医や訪問診療に対応しているクリニックに相談してみてください。
※この記事はメディカルドックにて<【医師解説】訪問診療と外来の違いを比較! それぞれのメリット・デメリットを把握して自分に合った医療選択を>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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