●仮釈放の審査は遺族の心情も考慮
検察庁がどのような基準でマル特無期を指定しているのかは明らかにされていないが、裁判で死刑が求刑された事件などが対象になっているとみられる。
山上被告人が殺害した安倍氏は、内閣総理大臣を2度つとめ、通算在職日数は歴代最長を記録した政治家だ。検察官は論告で「戦後史に例をみない重大な事件」と述べたといい、事件の社会的影響の大きさから、マル特無期に指定される可能性が出てきてもおかしくはない。

報道によると、裁判では安倍氏の妻・昭恵氏の意見として「自分のしたことを正面から受け止め、罪をきちんと償うように求めます」「憎しみとか恨みとか、負の感情をなるべく持ちたくない」などとする内容の書面が読み上げられたという。
仮釈放の判断にあたっては、被害者遺族の意見も聴取される。数十年後、遺族がどのような心情を抱くかも、判断に影響するとみられる。
山上被告人に対する判決は、来年1月21日に言い渡される予定だ。

