犬が飼い主にそっけない反応をみせる心理

1.成長に伴い信頼関係が深まった
子どもと同じように、犬も成長するにつれてたくさんのことを学習し、いろいろなことに対して動じずに落ち着いて対応できるようになります。また飼い主さんとの間にしっかりとした信頼関係が成り立ち、飼い主さんへの態度にも変化が見られるようになります。
飼い主さんを信頼している犬は、飼い主さんに対して大袈裟に反応しなくても、きちんと自分の気持ちを理解してもらえると思うようになるのです。そのため、これまでよりも薄い反応しか返さなくなったり、安心して背を向けたまま座ったりするようになるのです。
もちろん、成長してもいつまでも甘えん坊タイプの犬もいます。しかし、成長とともに落ち着いた反応に変わっていく犬も少なくありません。
2.加齢による行動の変化
犬の平均寿命は年々伸びてきています。そのため、犬もシニア期や老齢期といった、身体能力や気力が低下していく時期を長く過ごすようになってきました。
視覚・聴覚・嗅覚・触覚などの感覚器の性能や筋力が低下すると、周囲の刺激にも気付きづらくなり、また動くのも辛くなるため気力も徐々に衰えていきます。その結果、若かった頃と比べると、そっけない反応しか返さないように感じてしまうのです。
3.何かに集中している
おもちゃやおやつ、窓の外などに気を取られていて、飼い主さんから声をかけられたことにも気付かず反応しないことがあるかもしれません。特に飼い主さんへの依存度があまり高くなく、自立心の強いタイプの犬は、マイペースな傾向が強いようです。
また飼い主さんには聞こえないような小さな音や高い音、嗅ぎ分けられないような微かなニオイなどが気になり、意識をそこに集中させているため、声をかけられたことにも気付いていないということもあるでしょう。
4.疲れている、眠い
日中たっぷりと運動したり遊んだりして疲れている場合や単に眠い場合、飼い主さんから声をかけられても「かまわないでほしい」という気持ちが先に立って、そっけない態度しか返さずに、自分の体を休めることを優先することもあるでしょう。
5.体調が悪い
気を付けたいのは、体のどこかに痛みや不快感などの不調を抱えている場合です。犬は自分の体調不良を隠す傾向が強いため、特に疲れるような要素がないのにじっとしたまま動かない、呼吸がいつもより荒い、食欲がないなど、体調不良を疑わせるような様子が見られた場合は、できるだけ早く動物病院で診てもらうようにしましょう。
そっけない態度になりやすい犬の特徴

子犬時代はちょっとした呼びかけなどにも大袈裟に反応しがちですが、成長とともに「この声の掛け方は特に用があるわけではないな」とか「今行くと歯磨きされる!」など、飼い主さんの気持ちを察知して、それなりの反応しか返さなくなることが増えてきます。
比較的おとなしい性格の犬や、飼い主さんにべったり依存するのではなく独立心や自立心が高い犬の場合は、特にそっけない反応を返す傾向が強いと言われています。さらにシニア期以降の犬は、聴覚・嗅覚・視覚や筋力の衰えなどが原因で、総じてそっけない反応しかしてくれなくなることが多いでしょう。
もし愛犬がこのタイプの性格である場合は、そっけない反応にがっかりする必要はありません。できるだけ愛犬のペースを優先した接し方をしてあげると良いでしょう。

