「慢性炎症を引き起こすたんぱく質」の正体とは? ぜんそく研究で注目されるHLFを医師が解説

「慢性炎症を引き起こすたんぱく質」の正体とは? ぜんそく研究で注目されるHLFを医師が解説

研究内容への受け止めは?

編集部

千葉大学大学院の研究員らが発表した内容への受け止めを教えてください。

山形先生

HLFが単にCD4陽性TRM細胞を組織に留めるだけでなく、炎症機能の獲得において重要な役割を果たしていることも示されたことは重要です。この研究で得られた成果は、ステロイドが効きにくい重症のぜんそくや、再発を繰り返す好酸球性副鼻腔炎、そして特発性肺線維症といった、治りにくい慢性疾患に対する新しい治療の考え方を示しています。

これまでの治療法ではコントロールが難しかったこれらの病気について、病気の主な原因となっている「HLF陽性CD4+ TRM細胞」をターゲットにすることで、炎症が長引くことや組織が硬くなる「線維化」を根本から断ち切る治療薬の開発が期待されます。

編集部まとめ

今回の研究は、慢性炎症がなぜ治りにくいのかという疑問に、免疫細胞の働きから迫ったものです。炎症を起こす細胞が体内にとどまり続ける仕組みが分かりつつあり、将来は新しい治療につながる可能性もあります。咳や痰が続く背景には体の中の免疫の仕組みが関わっていることを知り、症状を我慢せず医師に相談することが大切です。

配信元: Medical DOC

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