「コーヒーを飲むと高血圧」になるの?コーヒーが血圧に与える影響も解説!

「コーヒーを飲むと高血圧」になるの?コーヒーが血圧に与える影響も解説!

コーヒーを習慣的に飲む人は高血圧になる、こういった話を聞いたことがある方もいると思います。コーヒーと血圧の関係は今も研究が続いており、これまでの研究結果もさまざまです。この記事では、現在考えられているコーヒーと血圧の関係を詳しく解説します。

※この記事はメディカルドックにて『「コーヒーは高血圧」のリスクを減らせる?高血圧の方が飲んではいけない飲み方も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

上田 莉子

監修医師:
上田 莉子(医師)

関西医科大学卒業。滋賀医科大学医学部付属病院研修医修了。滋賀医科大学医学部付属病院糖尿病内分泌内科専修医、 京都岡本記念病院糖尿病内分泌内科医員、関西医科大学付属病院糖尿病科病院助教などを経て現職。日本糖尿病学会専門医、 日本内分泌学会内分泌代謝科専門医、日本内科学会総合内科専門医、日本医師会認定産業医、日本専門医機構認定内分泌代謝・糖尿病内科領域 専門研修指導医、内科臨床研修指導医

コーヒーと高血圧の関係

コーヒーと高血圧の関係

コーヒーを飲むことは血圧にどのような影響を与えますか?

コーヒーには成分としてカフェインが含まれています。カフェインは、アデノシンと呼ばれる血管を広げる作用を持つ物質の働きを阻害し、これによって血管が収縮し血圧が上昇すると考えられています。

そのほかには、カフェインは交感神経を活性化させる作用があり、心拍数や血圧を上昇させる働きもあります。これらの作用以外にも、カフェインには、副腎髄質やノルアドレナリンの放出促進などの作用もあり、血圧を上昇させるといわれています。
健康診断の前にコーヒーを飲まないように指示された経験がある方もいると思いますが、これもカフェインの作用により正確な血圧が測定できなくなるためです。しかし、この血圧上昇に関しては一時的(約3時間程度)なものであり、摂取後時間とともに元の血圧へと戻ります。

高血圧症の人は、コーヒーを飲むことによる一時的な血圧上昇はリスクと考えられ避けるべきといわれることもありますが、一方で、高血圧症の方が1日2~4杯のコーヒーを摂取する方は、摂取しない方と比べて、血管機能によい影響をもたらす研究結果もあります。
これは、コーヒーに含まれるポリフェノールの効果と考えられています。ポリフェノール中にはクロロゲン酸と呼ばれる物質が含まれており、このクロロゲン酸には抗酸化作用があり、高血圧の原因である活性酸素を除去すると考えられているためです。

コーヒーを飲む人は高血圧になりやすいといわれてきた理由を教えてください

過去の研究により、喫煙者と非喫煙者を比較したときに、喫煙者の方が割合が高いという報告があります。また、そのほかにもコーヒーを飲む人には、慢性的な不眠やストレスといった、高血圧のリスク因子を持つ方が多いと考えられていることも、コーヒーと高血圧が密接な関係にあるといわれてきた一因です。

コーヒーを飲むと慢性的な高血圧になりますか?

上述したとおり、コーヒーを飲む習慣が慢性的な高血圧をもたらすという確定的な報告はありません。コーヒーにはカフェイン以外にも生理活性を示す成分が複数含まれるため、血圧との関係は複雑だと考えられています。
また、コーヒー摂取後の一時的な血圧の上昇は約3時間程度で通常の血圧に戻る傾向にあります。ただし、個人差があることには注意が必要です。カフェインの代謝速度は個々人によって大きく異なり、代謝が遅い人では血圧への影響が長く続く可能性があります。また、すでに高血圧がある人や、カフェインに敏感な体質の人では、より慎重な摂取が必要です。

編集部まとめ

編集部まとめ

コーヒーと血圧の関係は、長年研究されているテーマです。コーヒーが高血圧によいか悪いかは、一概にはいえません。適量のコーヒーの摂取は精神的なリラックス効果や、血管へのよい影響があるといわれてます。一方で、過量な摂取は身体へのリスクとなります。嗜好品の一つであり、自分にとって適切なコーヒーとの付き合い方を見つけていくといいでしょう。

参考文献

コーヒーと循環器疾患~コーヒーは高血圧のリスク因子か?~(東北医科薬科大学)

配信元: Medical DOC

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