胃潰瘍の治療中、治療後の生活と再発防止のポイント

胃潰瘍の治療中はどのような食事を心がけるとよいですか?
治療中は、胃に刺激を与えない食事を意識することが大切です。香辛料や揚げ物、コーヒー、炭酸飲料、アルコールなどは胃酸分泌を促すため控えましょう。熱すぎるものや冷たすぎるものも避け、やわらかく消化のよい食材を選びます。おかゆ、豆腐、白身魚、卵、温野菜などがおすすめです。また、1回の量を減らして1日4〜5回に分けて食べると、胃の負担を軽減できます。
胃潰瘍の治療中に食事以外で気を付けることがあれば教えてください
喫煙は胃酸の分泌を増やし、血流を悪化させて潰瘍の治りを遅らせます。禁煙は再発予防にも欠かせません。過度なストレスや睡眠不足も胃粘膜の回復を妨げるため、十分な休養を取りましょう。また、NSAIDsを継続している方は、医師と相談のうえ胃を保護する薬を併用することが大切です。薬の自己中止や、症状が軽くなった段階での判断は再発の原因になるため避けましょう。
胃潰瘍の治療が完了した後の注意点を教えてください
治療後も、胃粘膜はしばらく敏感な状態が続くため、暴飲暴食や刺激の強い食品は控えめにしましょう。ピロリ菌が除菌できた場合でも、生活習慣が乱れると再発することがあります。再発予防には、規則正しい食事と十分な睡眠、ストレスの少ない生活が役立ちます。内視鏡検査で治癒が確認された後も、年1回程度の定期検査を受けて再発の有無を確認しましょう。特に高齢の方や痛み止めを長期使用している方は、再発リスクが高いため、継続的なフォローアップが大切です。
編集部まとめ

胃潰瘍は、胃酸の刺激やストレス、薬の影響などが重なって胃の粘膜が深く傷つく病気です。薬による治療で多くの方が改善しますが、症状が軽くなったからといって自己判断で治療をやめてしまうと、再発を繰り返すおそれがあります。特にピロリ菌が関係している場合は、除菌療法を行うことが重要です。
治療が終わった後も、再発を防ぐための生活が大切です。刺激の強い食事を控え、規則正しい食生活と十分な睡眠を心がけましょう。喫煙や過度な飲酒は胃の回復を妨げるため控えることが望ましいです。また、薬の服用や内視鏡による経過確認を続け、医師の指示に沿って治療を継続することで、再発しにくい状態を維持できます。
参考文献
『消化性潰瘍診療ガイドライン 2020』(日本消化器病学会)

