「半月板損傷」と聞くと、スポーツ選手やスポーツを熱心におこなう人が発症すると思われがちですが、じつは一般の人にも多くみられる疾患です。半月板損傷の治療法はいくつかあり、そのなかでも現在、「幹細胞治療」は注目を集めています。一体、肝細胞治療とは何なのか、「リペアセルクリニック大阪院」の岩井先生に解説していただきました。

監修医師:
岩井 俊賢(リペアセルクリニック大阪院)
京都府立医科大学 医学部医学科卒業。その後、京都府立医科大学附属病院、京都きづ川病院、山科病院などで整形外科医として経験を積む。2024年、大阪府大阪市福島区に位置する「リペアセルクリニック大阪院」の院長に就任。日本整形外科学会専門医・認定リウマチ医・認定リハビリテーション医。日本内科学会、日本脳神経外科学会、日本脊髄外科学会、日本再生医療学会、日本糖尿病協会、中部日本整形外科災害外科学会の各会員。
編集部
半月板損傷に対する治療法には、どのようなものがありますか?
岩井先生
大きく分けて、「保存療法」と「手術」があります。軽症の場合は運動療法やヒアルロン酸注射、足底板の使用などがおこなわれ、それでも効果が期待できない場合には半月板縫合術や切除術などの手術をします。
編集部
半月板を縫合したり切除したりする手術とは?
岩井先生
半月板損傷は何らかの原因で半月板を損傷したことにより、半月板に亀裂が入ったり欠損したりすることで起こります。その結果、膝に痛みが生じたり、曲げ伸ばしが難しくなったりします。保存療法で治癒が見込めない場合には、損傷して裂けてしまった半月板を縫い合わせる縫合術のほか、損傷した半月板を切り取る切除術がおこなわれます。
編集部
手術が必要になることもあるのですね。
岩井先生
そうですね。縫合術や切除術のほかにも、骨に切り込みを入れて向きを変えることで、体重がかかる部分を調整する「骨切り術」という方法もあります。
編集部
半月板切除術は半月板を切り取るとのことですが、術後に問題はないのですか?
岩井先生
半月板は太腿の骨と脛の骨の間にある三日月状の組織で、関節の安定性を高めたり、膝関節にかかる衝撃を吸収したりしています。その部分を切除してしまうので、数年後には衝撃を吸収できずに関節が変形するリスクが高くなります。実際、研究により「半月板を取る手術をすると変形性膝関節症になる確率が数倍高くなる」ということが判明しています。
編集部
手術をしたくない場合にはどうするのですか?
岩井先生
近年では、保存療法、手術に次ぐ第3の選択肢として、幹細胞治療をおこなう医療機関も登場しています。幹細胞を使う治療であれば手術や入院も不要ですし、半月板を切除しなくて済みます。半月板を温存することができるので、その後の関節の変形を抑えることができるというメリットがあります。
※この記事はメディカルドックにて<「半月板損傷」は手術なしでも治せることをご存じですか? 「幹細胞治療」のメリットと注意点を医師が解説!>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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