在宅医療での介護保険と医療保険の併用

ここでは、在宅医療の場面で介護保険と医療保険を同時に使えるかどうか、また自己負担額がどのくらいになるかを解説します。
在宅医療で介護保険と医療保険を併用することはできますか?
在宅医療では、介護保険と医療保険を併用できる場合もありますが、基本的にはサービスの内容によってどちらか一方が適用される仕組みです。例えば、医師による訪問診療や薬の処方など治療行為にあたる部分は医療保険が使われます。一方、日常生活の支援や看護、リハビリなど生活を支えるケアにあたる部分は、介護保険が使われます。
このように、同じ在宅療養のなかでも行為の性質によって保険の種類が切り替わります。
介護保険を使った在宅医療の自己負担額はどのくらいですか?
介護保険を使う場合、自己負担額は1割もしくは2割、3割のいずれかになります。一般的には1割負担が多く、利用者の所得や年齢などによって変わります。
在宅医療で介護保険を利用する手続き
在宅医療を受ける際に介護保険を実際に使うまでの流れと、認定までの所要時間について解説します。
在宅医療で介護保険を利用するにはどのような手続きが必要ですか?
介護保険を使って在宅医療サービスを受けるには、まず、要介護(または要支援)認定を受ける必要があります。申請は、お住まいの市区町村の窓口で行い、職員が自宅を訪れて生活の様子を確認します。合わせて、主治医が病状などを記した意見書を提出します。なお、地域包括支援センターにて手続きを代行している場合もあるので、市区町村の窓口での申請が難しい場合は問い合わせてみてください。その後、介護認定審査会による審査を経て、要介護度が決まります。認定結果が届いたら、ケアマネジャーが本人や家族と話し合いながら、どのようなサービスをどのくらい使うかをまとめたケアプランを作成します。プランができたら、訪問看護や訪問介護などのサービス事業所と契約を交わし、実際の支援が始まります。
介護保険が利用できるまでどのぐらいかかりますか?
介護保険の認定は、申請から結果が出るまでおおよそ30日程度が目安です。市区町村が調査や審査を行うため、時期によっては1ヶ月半程かかることもあります。緊急で介護が必要な場合は、認定が下りる前でも、暫定ケアプランを使って一時的にサービスを利用できる場合があります。急な病状の変化があるときは、地域包括支援センターなどに早めに相談しておくとよいでしょう。

