千佳子が向かった先は、勝昭の実家だった。事情を知った義両親は、千佳子に深く謝罪した後、勝昭を呼び出し、厳しい「鉄槌」を下す―――。
私が助けを求めた場所
私は夫との問題を誰に相談すべきか、短時間で必死に検討した。
まず実母が思い浮かんだが、不倫のことを話せば、母はきっと「すぐに別れなさい!」と激怒し、離婚を強く勧めるだろう。私の気持ちは今「離れずに改心してほしい」に傾いているのに、母の言葉で迷いが出て、より混乱するかもしれない。
律を抱いて家を出た私が向かった先は、私の実家ではなく、義実家だった。
昔から、義母は私のことを実の娘のようにかわいがってくれていた。律が生まれてからはより頼りになっていた。私は義母の優しさに甘えようと思った。インターホンを鳴らし、義母が玄関を開けた瞬間、私の目からまた涙があふれた。
「千佳子ちゃん、どうしたの!なんで泣いてるの?勝昭は?」
義両親の言葉に救われる
義母は私のただならぬ様子にすぐに気づき、私と律をリビングのソファに座らせてくれた。私は泣きじゃくりながら、勝昭から告白された内容を、途切れ途切れに全て話した。結婚当初からの不倫、妊娠中の別れ話、そして相手からの脅し。
話し終えた後、義母は一言も発さず、ただ静かに私の手を取り、震える声で言った。
「千佳子ちゃん。本当にごめんなさい。うちのバカ息子が、あなたと律くんに、なんてひどいことを……」
義母は、自分のことのように深く心配し、頭を下げて謝ってくれた。その様子に、私はまた涙が止まらなくなった。義母は悪くないのに、私と同じくらい苦しんでいる。その思いやりが、私の心を少しだけ軽くしてくれた。
すぐに義父にも話が伝わり、義父は眉間に深いしわを刻み、義母に勝昭を今すぐ呼ぶように指示した。
「千佳子ちゃん、心配しないで。このことは、私たち夫婦が責任をもって対処するから。本当に、うちの息子が悪かった」

