義両親が夫に課した罰
数時間後、家に勝昭が着いた。義両親と私、そして勝昭がリビングに並ぶ。義父はものすごい形相だった。
「勝昭、とんでもないことをしでかしたな。千佳子ちゃんは、お前の子を生んでくれた妻であり、一生守り抜くべき存在だぞ。お前の裏切りは何をしても許されることではない」
義母も目に涙を浮かべながら、静かに、しかし有無を言わさぬ厳しい声で続けた。
「勝昭、今まで千佳子ちゃんがどんなにあなたを大切に思っていたかわからないの?親として、恥ずかしいよ」
勝昭は2人の説教に対し、終始、床に視線を落としたまま、ただひたすら「はい」「すみません」と答え続けるだけで、一切反論しなかった。彼の顔は青ざめていた。義父は最後に、具体的な指示を出した。
「相手の女からこのことをバラすと言われているんだってな。あとは口止め料か?そんなもの払うな。お前が悪いんだからバラされてもしかたない。相手の女だって、お前の会社にバレたら困るだろう」
「それはそうだけど…」
「そんなことより、すぐにその女と関係を断て。妻にも自白したし、職場にバレるのも覚悟していると言え。そして、千佳子ちゃんにきちんと償え」
その言葉は、勝昭への裁きであると同時に、私への最大限の配慮だった。私の心は、少しずつ整理され始めていた。義母はこう言っていた。
「もしあなたの不祥事が理由で仕事を辞めることになっても、すぐに次の職場を探しなさい。千佳子ちゃんに一切の不自由をさせないこと。それがあなたの責任でしょう」
その言葉は真剣そのもので、勝昭も、もう逃げてばかりはいられないと腹をくくったような表情をしていた。
あとがき:味方になってくれた義両親
物語の大きな転換点です。実家ではなく義実家を頼るという千佳子の選択は、彼女の賢明さと、義両親との良好な関係を物語っています。義両親が、千佳子側に立って勝昭を厳しく糾弾したことは、千佳子の心を軽くしたでしょう。特に義父の裁きは、感情論ではなく、具体的な償いを命じており、夫婦の「再構築」に現実的な道筋をつけました。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: ゆずプー
(配信元: ママリ)

