「世界陸上」卒業で、織田裕二 57歳の今後は?俳優としてもう一度輝く道はどこにある

「世界陸上」卒業で、織田裕二 57歳の今後は?俳優としてもう一度輝く道はどこにある

『水滸伝』で熱さを爆発させてほしい

とはいえ、生涯、現場主義の刑事専門俳優というのも俳優としては物足りないだろう。26年には北方謙三原作の『水滸伝』(WOWOW)で梁山泊の頭領・宋江役を演じるという。12世紀初頭・北宋末期の中国が舞台で“梁山泊”に集う漢たちが世直しに立ち上がる。スケールがかなり大きそうだ。『ガラパゴス』と同じ若松節朗が監督なので、きっと織田裕二のいいところを引き出してくれるはず。

 2026年放送『水滸伝』の公式サイト(WOWOW) 梁山泊の頭領ほどのやたらとスケールの大きさまでいけば、織田裕二のあふれるエネルギーというニンに合うだろう。例えば、『キングダム』の王騎で大沢たかおがセカンドブレイクしたように、とんでもなく凄いものを人は愛してしまうものだ。

「世界陸上」で「人類はどこまで遠く、速く、跳べるのか。選手の数だけ人間ドラマがある」と名言を遺した織田裕二。彼もまた俳優として己の記録を塗り替えてほしい。

俳優としての活躍に期待するのは、彼が単にアイドル的スターだったわけではないからだ。最適解の身体表現、本気のパッションや、抜群な集中力、鋭い感受性など、俳優としてのスキルも十分高い。単なる“熱くて気のいいおじさん”ではないのである。

かつ、年をとってもなお決して枯れることない情熱や物事への鋭い探究心をその瞳に宿す織田裕二。人生100年時代のヒーローになるポテンシャルを秘めている。

<文/木俣冬>

【木俣冬】
フリーライター。ドラマ、映画、演劇などエンタメ作品に関するルポルタージュ、インタビュー、レビューなどを執筆。ノベライズも手がける。『ネットと朝ドラ』『みんなの朝ドラ』など著書多数、蜷川幸雄『身体的物語論』の企画構成など。Twitter:@kamitonami



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