週末、いつものように娘の習い事の送迎をしていた私。その日、自宅近くの狭い坂道で、これまでに経験したことのない理不尽なトラブルに遭遇してしまいました。今でも思い出すと胸がギュッとなる、私自身の忘れられない体験をお話しします。
地元の暗黙のルール。慎重に進んでいたつもりが…
私には3人の娘がいて、週末はバレーボールの送迎で車を出すのが日常です。ある日、近隣の小学校での試合を終えた子どもたちを乗せて、いつもの道を帰宅していました。
わが家の近所には、急勾配で激しいカーブが続く、少し特殊な形状の坂道があります。坂の上のほうは車1台が通るのがやっとの狭さですが、下へ行くほど少しずつ道幅が広がるため、この道を使う住民の間では「上りでも下りでも、対向車が来ていないか確認してから進入する」という暗黙のルールがありました。
その日、私は前後に数台の車やバイクが続く列の中で、慎重に坂を上っていました。ところが、あと少しで上り切るという絶妙なタイミングで、突然、坂の上から対向車が現れてしまったのです。
逃げ場のない状況!ピクリとも動かない対向車
私の後ろには数台の車がピッタリと続いており、下がることは物理的に不可能な状況。一方、対向車(下り側)はまだ道幅に余裕がある場所にいました。
本来、坂道でのすれ違いは「上りの車が優先」というルールがあります。物理的な状況を考えても、交通ルールに照らしても、「あちらが少し下がって譲ってくれるだろう」と思っていました。
しかし、相手の車はピクリとも動きません。しびれを切らした私の前の車が、無理やり隙間をすり抜けて行ってしまったことで、対向車はさらに私の目の前まで前進。道幅はすれ違う余裕のない状態で、私は完全に身動きが取れなくなってしまいました。
困惑していると、対向車から70代くらいの男性が降りてきて、私の運転席側へ歩いてきたのです。

