
肉じゃがにカレー、じゃがバター、フライドポテト、ポテトサラダにポテトグラタン…家庭でおいしく味わえるレシピがたくさんある「じゃがいも」。ポテトチップスなどのスナック菓子の原材料にもなっていて、みんなが大好きな食材です。
ところで「じゃがいも」と聞くと背景に北海道の広大な大地をイメージする方が多いのではないでしょうか。「じゃがいも=北海道」のイメージは、いつの間に生まれたのでしょう?

今回は、じゃがいもをはじめ、北海道産の農業畜産物を取り扱う「ホクレン」の「玉ねぎ馬鈴しょ課」に所属する野田有希さんに、じゃがいもについていろいろとお聞きしました。
ホクレンは、北海道内の農業協同組合から誕生した組織です。北海道産の農畜産物を全国へと届ける事業を行なうだけではなく、生産者のサポートや食育に関する活動も行っています。
じゃがいもといえば北海道なのはなぜ?

——じゃがいもといえば北海道を思い浮かべる人が多いと思います。北海道のじゃがいもの生産量はやはり多いのでしょうか?


野田さん:北海道は、国内最大のじゃがいもの生産地です。2024(令和6)年には97.4万トンを生産しています(※でん粉原料用・種子用は除く。ホクレン調べ)。
——だから「じゃがいもといえば北海道」なんですね! 北海道産じゃがいもの特徴や推しポイントを教えてください。

野田さん:北海道のじゃがいも畑は土壌が肥沃なので、じゃがいもが栄養たっぷりに育ち、昼夜の寒暖差が大きいので糖度が高くなるなど、味が良いのが特徴です。
また、出荷期間が長いことから、前半(収穫後~秋ごろ)のじゃがいもはでん粉含有量が多い時期なので、ホクホクとした食感を味わえ、後半(冬ごろ~出荷終了)のじゃがいもはでん粉が糖に変わり、しっとり甘くなる傾向があるなど、1年を通じて様々な食味が楽しめます。

揚げた大地のリンゴ!? じゃがいもの栄養は?

——フランスでは、じゃがいもを「ポム ド テール フリット(揚げた大地のりんご)」と呼ぶほどビタミンが多いそうですが、本当でしょうか? じゃがいもの栄養とメリットを教えてください。

野田さん:じゃがいもに含まれるビタミンは、ビタミンCが一番多く100gあたり28mgといわれています。(※日本食品標準成分表2020年版(8訂)より生塊茎での値。加熱調理すると概ね半減します。)
リンゴに含まれるビタミンCが100gあたり4mg(※同、皮なし)であることと比較しても、その含有量が多いことからそう呼ばれているようですね。
ですが、じゃがいももリンゴも、どちらも特段ビタミンが多い野菜・果物というわけではありません。じゃがいもの主成分は炭水化物なので、「エネルギー源として食しながら、ビタミンや食物繊維なども摂取できる」という意味で重宝されている、というニュアンスかなと考えます。

