「室内」から見えてくる、印象派の知られざる一面

印象派と聞けば、きらめく陽光の下で描かれた戸外の風景画を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。しかし、彼らが活動を始めた近代都市パリでは、多くの作品が室内を舞台に生み出されていました。特にドガは室内での鋭い人物表現にその才能を発揮し、ルノワールもまた親密な雰囲気漂う室内画を得意としていました。また、印象派の画家たちがもともと私邸の壁面装飾として描いた作品も少なくありません。印象派と室内は思いのほか深い関係を結んでいたのです。
本展では「印象派の殿堂」といわれるパリ・オルセー美術館が所蔵する傑作68点に加え、国内の重要作品を合わせたおよそ100点が集結。マネ、モネ、ドガ、ルノワール、セザンヌといった巨匠たちが「室内」というテーマにどのような関心を持ち、表現に挑戦したのかを紐解きます。

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日本初公開のドガの代表作も展示
また、オルセー美術館の印象派コレクションがこの規模で来日するのは約10年ぶり。
若きドガの代表作《家族の肖像(ベレッリ家)》が日本初公開されるなど、見どころ満載です。
エドワード・ドガ《家族の肖像(ベレッリ家)》1858-69年
ピエール=オーギュスト・ルノワール《ピアノを弾く少女たち》189年

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上白石萌音さんが語る、展覧会への想いと音声ガイドへの意気込み
「早くこの目で実物を見たい」と語る上白石萌音さん

アンバサダー就任にあたり、上白石さんは「声の仕事をするときは、声をあてる対象をいつも意識しています。今回はそれが絵画ということで、作品をしっかり見て、鑑賞する方に想いが伝わるよう心を込めて務めたいと思います」と音声ガイドへの熱い意気込みを語りました。
また、来場者へのメッセージとして、「美術館に行って絵画の前に立つたびに、画家が一心不乱に向かった、まさにそのキャンバスの前に私はいま立っているんだなと、タイムスリップをしたような不思議な感覚になります。今回は『室内をめぐる物語』ということで、その当時の室内の静かなうつろいですとか、人々の息づかいや暮らしの気配を感じに、ぜひ国立西洋美術館に足をお運びいただければと思います」と述べ、本展への期待感を高めました。


本展アンバサダー 上白石萌音さんプロフィール
1998年1月27日生まれ。鹿児島県出身。
主な出演作として、映画『舞妓はレディ』『君の名は。』『夜明けのすべて』、ドラマ『カムカムエヴリバディ』『法廷のドラゴン』、舞台『ダディ・ロング・レッグズ』『ジェーン・エア』『千と千尋の神隠し』などがある。
俳優だけでなく、歌手・著作家・ナレーターとしても活動している。
