太田光が名優・柄本明に「出てこれました?」 深い演劇論のなかで飛び出した志村けんの“怖さ”<太田光のテレビの向こうで>

太田光が名優・柄本明に「出てこれました?」 深い演劇論のなかで飛び出した志村けんの“怖さ”<太田光のテレビの向こうで>

「太田光のテレビの向こうで」
「太田光のテレビの向こうで」 / (C)BSフジ

爆笑問題の太田光がMCを務める「太田光のテレビの向こうで」(BSフジ)。12月21日(日)夜9時放送回のゲストは太田が学生時代から憧れる俳優・柄本明だ。珍しく緊張した面持ちの太田が切り込むのは、柄本の自然体でありながら難解な演劇論。同じ“舞台”の上に立つ者同士、まさに不条理劇そのものの対話が交わされる。

■「出てこれた?」の難しさ

十数年前のラジオで共演して以来、久々の対面に「恥ずかしいなぁ」とつぶやきながら現れた柄本。率直に「緊張してます」と憧れの人を迎えた太田は、「どうですかいまの導入は、あってました?」と話を切り出す。柄本もさすがピンときたのか、「呼ばれたんで、ここから…ハイ」と笑顔を見せる。

2022年にNHKで放送された「最後の流儀」において、柄本が演劇人たちに語った哲学。テレビを否定するかのような柄本の演劇論に、太田は大いに感動したという。特に太田の記憶に残っているのは、学生たちに台本を持たせてパネルの裏から登場させたときの一幕だという。

学生がパネルから飛び出した瞬間、セリフを言う前に柄本が止める。「いま、出てこれた?」あまりに難解な質問に、学生は当然困った表情で固まってしまう。そして柄本は首をひねりながら、何度も同じところで演技を止めて聞く。「いま、出てこれた?」。

「もう最高でしたね、あれは!」と手を打つ太田が柄本に「今日はどうでした?出てこれました?」と聞くと、柄本は相変わらずの表情で「まあ、言われたんで」と返す。そして学生たちへの指導はつまり、「俺が“出てきなさい”と言ったから出てきたんだよね?」と思惑を明かす。

台本を持って、役に入ろうとして、身構える。その瞬間に“出てこれなくなってしまう”。太田は役に入った瞬間「“その子”じゃなくなっちゃってるんですよね」と大いに共感を示し、さらにテレビがいかに“役者に親切か”と続ける。

いかに“出てくる”ことが難しいか。太田自身も「できてない」と語る深い深い演劇論は、さらに舞台演劇とテレビドラマの決定的な違いまで切り込んでいく。

■立川談志、志村けんとの意外なエピソードも

柄本が演じた戯曲「ゴドーを待ちながら」をめぐって、立川談志ともつながると語る太田。柄本は演劇人として歩み始めた若き日の苦悩を懐かしみながら明かし、長年コントで共演した志村けんさんとの関係を「怖かった」と振り返る。その根底には、太田も息をのむ志村の“信念”があったという。

日頃の接点こそ少ないものの舞台という共通項でつながる2人の対話。演じる者と観る者との距離、緊張…「恥ずかしさ」との闘い…これこそが不条理劇とも映る第一線同士の言葉の紡ぎあいに、つい引き込まれていく幸せなひとときだ。

また8月に放送された「中山秀征」ゲスト回が、同放送に先駆けて12月21日(日)昼12時からオンエア。デビュー当時からの「歴史」を懐かしく思い出しながら、楽しげに語り合うふたりだけの「お笑い同窓会」を楽しむことができる。

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