軽度認知障害の主な原因
MCIの背景には、脳や全身の疾患が関与していることがあります。
アルツハイマー型認知症や脳血管障害
MCIの約半数はアルツハイマー病が原因とされます。また、脳梗塞や脳出血による血管性障害も関係する場合があります。特徴としては、記憶障害、理解力の低下、行動の変化などが見られます。
生活習慣病
糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病は、認知症になるリスクを高めると考えられています。特に、中年期(45〜64歳)にこれらを持つ方は、認知症リスクが高くなることが知られています。
慢性硬膜下血腫や正常圧水頭症
慢性硬膜下血腫などの外傷性疾患や、正常圧水頭症などの髄液循環が妨げられる疾患では、脳を圧迫されることでさまざまな症状が現れます。そして、一時的に認知症に似た症状が出ることがあります。これらは治療によって改善することがあるため、MRIやCT検査での確認が重要です。
家族が軽度認知障害になったらどのようにケアすればいい?
軽度認知障害(MCI)は、本人よりも家族が先に異変に気づくことも多い病気です。家族のサポート次第で、進行を遅らせたり、症状を安定させたりできる可能性があります。
繰り返される話に対しては一定の時間を決めて聴く
MCIの方は、話した内容を忘れやすくなったことによる自信の喪失や、不安感から「過去の自慢話」を繰り返すことがあります。家族としては同じような話を聴くことは負担に感じられるかもしれません。まずは、一定の時間を決めて話を聴き、なぜ何度も同じ話をするのかの背景を医師などの医療専門家に相談するようにするとよいでしょう。
環境を整えて混乱を防ぐ
日常生活の環境を整えることで、本人のストレスや失敗を減らすことができます。
例えば、見える工夫として予定や支払い日をカレンダーに書く、薬は曜日ごとに分ける、鍵や財布などの「置き場所を固定」するなどの工夫が有効です。また、ガスやIHの自動消火機能や転倒防止マットなどの危険対策、スマートスピーカーなどのテクノロジー活用も検討しましょう。
社会的つながりを維持する
人との交流は脳の刺激となり、認知機能の低下を防ぐ効果が期待できます。近所のサークル、趣味活動、地域包括支援センターの予防プログラムなどを利用し、「外に出るきっかけ」をつくることが家族の重要な役割です。
家族自身のメンタルケアも大切に
「ついイライラしてしまう」と感じるときは、専門家に相談しましょう。地域包括支援センターや保健所の窓口、家族会などを活用してください。また、介護者が一時的に休息を取る「レスパイトケア(ショートステイやデイサービス)」の活用も非常に大切です。

