香さんは、夫・悠馬さんが決めたルールに従いながら日々を過ごしていました。ルールを破れば「罰ゲーム」が課されるという理不尽な生活。しかしある日、悠馬さんから暴力を受けたことで、香さんはついに「罰ゲームの日々」から抜け出す決意を固めます。
弁護士と話をしていた香さんのもとに、悠馬さんの上司から電話がありました。香さんから事情を聞いた悠馬さんの上司は「最近、彼の様子がおかしいと噂になっているから……」と香さんに気遣いを見せます。
電話を切った香さんを見た弁護士は、数日前に悠馬さんが法律事務所を訪れたことを話し、不安なら接近禁止命令の申し立てを検討しましょうかと提案しました。心配になった香さんは、家庭裁判所に申し立てをするようお願いしました。
一方そのころ、悠馬さんは香さんの職場へ向かい、尾行をしていました。香さんは帰り道に誰かに見られているような違和感があると、友人に相談するのでした。
悠馬さんは貯金がなくなってきたこともあり、イライラを見せます。香さんのごはんが食べたいと考え、自分の居場所は香さんだけだ……と執着心を見せるのでした。
一線を越えたDV夫の勘違い












友人と楽しそうに過ごす香さんを見て、悠馬さんは「無理に作り笑いして……」と思い込むようになります。もう無理しなくていいぞ……と考えていたところ、警察に声をかけられます。警察に何をしているか聞かれて「知り合いを待っていただけです」とごまかす悠馬さん。警察から「この辺で長く立ち止まらないようお願いしますね」と注意を受け「邪魔された……もっと上手くやらないと……」と考えるのでした。
コンビニで買い物をしていた悠馬さんは、レジで支払うときにお金が足りないことに気づきました。ほかの客からの目線に、イライラが募ります。そこでさらに香さんだけが自分をわかってくれると考え、晩酌に付き合ってくれていたことを思い出しました。香さんが過ごしている友人の家の前で「香さんも自分と同じ気持ちだ……本当は寂しいはずだ……」と考えるのでした。
香さんの友人の家の前にいると、警察の巡回が目に入った悠馬さん。香さんが呼んだのかと勘違いし、家に戻りました。家で香さんはなぜ自分をこんな目に合わせるんだと考える悠馬さん。そして「全部、香からの罰ゲームなのか?」「香は俺にこれまでのお返しをしているだけ……?」という結論を出します。そのあと、納得したかのように「そういうことだったのか」と何かを思いつくのでした。
悠馬さんは孤立や不安から香さんへの執着を強め、自分に都合の良い解釈で現状を受け止めるようになっていきました。結果、一線を越えた行動も見受けられるようになりました。一方的な気持ちで行動することで、相手を怖がらせてしまうことも。現実の状況を冷静に受け止め、トラブルを招かないよう行動に気をつけたいですね。
※配偶者や元配偶者によるストーカー行為で被害に遭っている、または不安を感じている場合は、ひとりで抱え込まず、警察や専門の相談窓口に相談することも大切です。緊急時は110番、または各自治体のDV・ストーカー相談窓口をご利用ください。
【警察相談専用電話】
#9110:お近くの都道府県の警察本部の総合窓口につながります。(相談対応の時間は都道府県によって異なります。土日・祝日および時間外は24時間受付体制の一部の県警を除き、当直又は音声案内で対応します)
【みんなの人権110番】
0570-003-110:最寄りの法務局につながり、ストーカー行為といった様々な人権問題に関する相談に応じます。(受付時間:平日 午前8時30分~午後5時15分・全国共通となります)
著者:マンガ家・イラストレーター はたけ

