
ライブドアブログ「ゆっぺのゆる漫画ブログ」やInstagram(@yuppe2)で、数々のエッセイ漫画を発表している漫画家のゆっぺさん。中でも、実体験をベースに描かれた『無能クズ上司への逆襲 32歳シンママはブラック職場から逃げ出したい』は、その衝撃的な内容で読者を震え上がらせている。
主人公は、一人娘を育てる32歳のシングルマザー・ゆき。ある日、かつての上司である折川からヘッドハンティングを受ける。「給料は今の1.3倍出す」という好条件に惹かれ、生活のために転職を決意するゆき。しかし、そこは常識が通じない漆黒のブラック職場だった。 今回は、作者のゆっぺさんに、漫画に描かれた壮絶なハラスメントの実態について話を聞いた。
■「ブスはフロアに出るな」採用した部下への暴言



作中に登場する上司・折川の言動は、パワハラやモラハラの域を超えている。ゆっぺさんによると、暴言の数々は耳を疑うものばかりだったという。 「ブスはフロアに出るな、採用するんじゃなかった」 採用した本人に向かって容姿を否定する言葉を投げつけるなど、その攻撃性は常軌を逸していた。さらに恐ろしいのは、折川が過去の傷害沙汰を“武勇伝”として語っていたことだ。 「俺は昔、ミスした部下の頭を皿で殴って10針縫う怪我を負わせたことがある。殴ってほしそうにしていたから殴った。俺はいいことをしたんだ」 反省の色は一切なく、ドヤ顔で語るその姿には、戦慄すら覚える。これ以外にも、公にはできないような酷い暴言が日常的に飛び交っていたそうだ。
■オープン2週間で退職者続出…異常な離職率
そんな環境でまともに働ける人間は少ない。ゆっぺさんが在籍していた短い期間だけでも、少なくとも20人の従業員が辞めていったという。 「お店がオープンしてまだ2週間も経っていないのに、クビを切られた人もいました。中には入社してたった1日で辞めていく人もいて、顔を合わせることすらできなかったケースもありましたね(笑)」 人が定着しない職場には、必ずそれだけの理由があることがよくわかるエピソードだ。
■「逃げ」ではなく「卒業」という選択
過酷な環境に置かれたとき、辞めることを「逃げ」だと感じてしまい、踏みとどまってしまう人は多い。しかし、ゆっぺさんは本作を通じて伝えたいことがあるという。 「辞めることは逃げなのか、それとも卒業なのか。主人公が誰の言葉に耳を傾け、どうやって答えを出したのか。その過程を参考にしていただけたらうれしいです」
企業のコンプライアンス遵守が叫ばれる昨今だが、ブラックな職場は依然として存在する。 「こんな上司、うちにもいる!」と共感せずにはいられない本作。近々電子書籍化も予定されており、今まさに職場の人間関係に悩んでいる人にとって、現状を打破するヒントになるかもしれない。
取材協力・画像提供:ゆっぺ(@yuppe2)
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