配偶者の愚痴を親に言うことの弊害について|山脇由貴子

配偶者の愚痴を親に言うことの弊害について|山脇由貴子

アウトソーシングもして、家族の時間を増やした結果

「掃除と洗濯は週3回頼んで楽になりました。あと、食事も作る品数を減らすようにしました。週末に作り置き出来る時はするようにして」

貴子さんなりに工夫を始めたのが確認できました。

「僕も社長に話して、週に1回は定時に帰れるようにしてもらいました。会社の借り上げているマンションが職場の近くにあるんです。だから、引っ越しも相談してます」

「それはいいですね」

そして貴子さんが言いました。

「かなり喧嘩は減って。もめた時は、友だちに電話するようにしてます。意外に『うちも同じよ』って言ってもらえて、どこも同じなんだ、って安心します」

「それも良かったですね」

私が言うと、貴子さんがさらに言いました。

「両親にも、『仲良くやっているから、心配しないで』『夫の事悪く言ったり、夫を責めたりしないでね』と話しました。『経済的な事も考えて転職してくれて、今頑張ってるから』とも言いました。特に父には『余計な事は絶対言わないでね』と言っておきました」

「あとは、繁さんと貴子さんのご両親との関係修復ですね。年に1回くらいは実家に行けるようになる為に。もちろん、繁さんが貴子さんのご両親を嫌わないようになる事が先ですが」

私がそう言うと繁さんが言いました。

「それは、来月食事会をする予定になっていて。実家に行くよりは外の方が、お義父さんも気を使うだろうって、貴子が」

「和やかに行くといいですね」

そしてその食事会の後、再度来てもらいました。

「なんとか穏やかに終わりました」

繁さんが報告してくれました。貴子さんは2か月に1度は息子を連れて実家に行っているそうですが、あくまで両親に息子を会わせる為だそうで、繁さんの話はしていない、と言います。

「よく切り替えられましたね」

私が貴子さんに言うと、

「考えてみれば、自分の悪口を言われていると思えば、実家に近寄りたくないのは当然ですし。私も親に頼り過ぎていたな、と。夫婦の問題は夫婦で解決すべきだというのは本当にそうだと。夫婦で話し合えなければ、解決できないですものね」

と貴子さんが答えます。

配信元: 幻冬舎plus

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