⑤キャリアを捨てて育児に専念している
高学歴で、やりがいがある仕事にも就いて、社会で活躍してきた方が、出産や育児やパートナーの転勤など様々な事情で仕事を辞めざるを得なくなることってありますよね。
そして、それまで仕事に向かっていたエネルギーが、子どもの教育に向いたりします。
元々バイタリティのある方なので、子どもの教育にも全力。
それが行き過ぎてしまうと、教育虐待になりがちです。
自分の「自己実現」が「子どもの教育」になってしまうと危険信号です。
教育虐待に陥らないために気を付けるべきこととは?
教育虐待をしてしまう親の特徴を挙げてきましたが、まとめると
①知識不足
②親自身の背景
に原因がある場合が多いです。
何が虐待にあたるのか、正しい知識を学ぶことが大切です。
自分が受けてきた教育は必ずしも正しかったとは限りません。
また、子どもの幸せを願ってしたことは虐待にならないわけでもありません。
そして、正しい知識があったとしても、様々なプレッシャーの中で、一線を越えてしまうこともあります。
ご自身が越えなかったとしても、パートナーが越えてしまうかもしれません。
そうならないようにするためには、パートナーおよびご自身を教育虐待に走らせるような環境要因を取り除く努力をする必要があります。
環境を改善せずに自制しようとしても、また、パートナーに自制を求めても、いずれストレスから限界を迎えてしまう日がくるでしょう。
「リベンジ」も「自己実現」も、子育て以外の趣味や仕事でしましょう。
子どもを自分の持ち物ではなく1人の人間として扱い、意思を尊重しましょう。
子どもの成果を親の成果と混同しないようにしましょう。
パートナーにプレッシャーがかかるような環境であれば、子どもを守る前にまずはパートナーを守りましょう。
こうしたことを心がけながら、うまく教育虐待という落とし穴を避け、子どもの熱心なサポーターとして成長を後押ししていってください。
受験という機会は、うまく生かせば子どもの成長を大きく加速させます。
負の側面があることを決して忘れず、私たち大人も子どもと一緒に、良い機会にするための努力をしていきましょう。
※中学受験ナビの連載『親子のノリノリ試行錯誤で、子供は伸びる』の記事を、マイナビ子育て編集部が再編集のうえで掲載しています。元の記事はコチラ。
菊池洋匡中学受験専門塾 伸学会代表。開成中学・高校・慶應義塾大学法学部法律学科を卒業。算数オリンピック銀メダリスト。著書に『小学生の勉強は習慣が9割 自分から机に向かえる子になる科学的に正しいメソッド』(SBクリエイティブ)『「やる気」を科学的に分析してわかった 小学生の子が勉強にハマる方法』(秦一生氏との共著、実務教育出版)『「記憶」を科学的に分析してわかった 小学生の子の成績に最短で直結する勉強法』(実務教育出版)。伸学会HP:https://www.singakukai.com/→記事一覧へ
