姉から聞いた真相
「お姉ちゃん、ちょっと聞いてほしいことがあるんだけど」と切り出すと、姉は「どうしたの?」と穏やかな声で応じてくれました。
従兄の奥さんから突然荷物が届いたこと、20年以上も疎遠なのに不思議だということを話すと、姉は「ああ、それね……」と少し間を置いてから話し始めました。
「実はね、その従兄の奥さん、最近お母さんを亡くされて、遺品整理をしてるらしいのよ。そのお母さんが生前、親戚の名前をノートに書き留めていて、『お世話になった人たちに感謝の気持ちを』って残していたんだって。それで、親戚中に品物を送っているみたい。私のところにも先月、タオルセットが届いたわ」
その瞬間、胸が温かくなりました。
姉には「お返しは気持ち程度でいいと思うわ。向こうもそういうつもりじゃないと思うから」と言われました。
繋がりの温かさ
電話を切った後、私は改めて段ボールの中身を眺めました。
ラッピングも、きっと亡くなったお母さんが大切に選んだものだったのでしょう。
「お返しをしなければ」という義務感ではなく、感謝の気持ちを伝えたいと思いました。
私は従兄の奥さんに電話をかけました。
「素敵な品物をありがとうございます。お母様のお気持ち、しっかり受け取りました」と伝えると、彼女は少し涙声で「こちらこそ、覚えていてくださってありがとうございます」と言ってくれました。
20年以上の空白を超えて、ほんの数分でしたが心温まる会話ができました。
後日、私は心ばかりのお菓子を彼女に送り、お悔やみの気持ちも添えました。
姉に改めて電話をして「教えてくれてありがとう」と伝えると、姉は「親戚って、会わなくても繋がってるものよね」と笑いました。
この出来事は人との繋がりの温かさと、血縁という見えない糸の大切さを改めて教えてくれました。
【体験者:50代・筆者、回答時期:2025年12月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:藍沢佑菜
管理栄養士の資格を持つ、2人の自閉症男子のママ。自身の育児環境の変化をきっかけに、ライター活動をスタート。食と健康を軸に、ライフスタイル全般のコラムを得意とし、実体験に基づいたリアルな記事を執筆中。専門的な情報を「わかりやすく、すぐに日常に取り入れられる形」で伝えることが信条。読者の「知りたい」に寄り添い、暮らしを整えるヒントを発信しつづけている。

