近況を報告するため、沙希はママ友の綾子とランチに出かけました。綾子は遅れて店に現れ、その様子には、どこかあせりが見て取れました。沙希がかくしカメラを設置したことを話すと、綾子は驚愕したように立ち上がります。その際、綾子のバッグから荷物が散乱し、沙希は地面に落ちた手帳の、開かれたページを見てしまうのです。
「かくしカメラ設置」に顔色を変えるママ友
ある昼下がり、沙希は綾子と久しぶりにランチをしました。
綾子は「実家に寄る用事ができた」と言って、少し遅れて店に現れましたが、その顔にはいつもの明るさがなく、どこかあせっているように見えました。
沙希は食事中、最近のできごとを綾子に話しました。
和人が潔白であること、そして、警察に相談した後、自宅にかくしカメラをつけたことを伝えました。
沙希の言葉を聞いた瞬間、綾子の顔色が一変しました。彼女の目には、おどろきと恐怖が入り混じったような色が浮かんでいました。
開かれた手帳で目にしたもの…
「カメラ…つけたの?え、ちょっと待って」
綾子は突然、「ごめん、急ぎの用ができたから、私もう帰るね」と言い残し、あわてて席を立ちました。
その瞬間、綾子のバッグがひざからすべり落ち、中身が床に散乱してしまいました。
綾子は顔を紅潮させながら、散らばった荷物を急いでひろい集めましたが、沙希の足元に、一冊の手帳が開いたまま落ちているのを見つけました。
「あ、綾子…」
沙希は声をかけようとしましたが、綾子は手帳には気づかず、店を飛び出していきました。
「あんなにあわてて…どうしたのかしら」
沙希が手帳を拾い上げると、開いたページに貼られた写真が目に飛び込んできました。

