日本に『尾曲がり猫』が多いのはなぜ?考えられる理由やルーツもご紹介

日本に『尾曲がり猫』が多いのはなぜ?考えられる理由やルーツもご紹介

尾が曲がった不思議な猫「尾曲がり猫」とは

カーテンから飛び出ているしっぽ

尾曲がり猫とは、その名の通りしっぽが途中で曲がっている猫を指し、曲がっているものだけでなく、丸まって短くなっていたり、短尾の猫も含まれる総称です。これはしっぽの椎骨(背骨)の一部が変形したり癒合したりすることで生じます。

見た目にはL字型やS字型に曲がっているもの、先端がクルンと丸まっているもの、まるでボンボンのように短いものなど、さまざまな形状があります。ボンボンのように丸まったしっぽは「ボブテイル」と呼ばれ、ジャパニーズボブテイルやアメリカンボブテイルが代表例です。

いずれも遺伝子の変異によるもので、猫の健康や生活に大きな影響を及ぼすことはほとんどありません。

日本に尾曲がり猫が多い理由とそのルーツ

竹のベンチで眠る猫

尾曲がり猫が日本で多い背景には、歴史的経緯があります。16世紀末から17世紀初め、南蛮貿易や東南アジアとの交流を通じて、インドネシアなどから尾曲がりの猫が船に乗って日本に渡来しました。インドネシアからやって来た猫は、もともと日本にいた猫と交配し、尾曲がりの特徴が遺伝的に定着しました。

さらに江戸時代には、長いしっぽの猫は「猫又になる」「不吉」といった迷信や文化的な理由から忌み嫌われ、尾の短い猫や曲がった猫が好んで飼われるようになりました。この結果、尾曲がり猫が定着し、日本特有の猫として目立つ存在になったと考えられています。

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