仰臥位低血圧症候群になったときの対処法と快適に横になる方法

仰向けに寝ていて気持ちが悪くなったときはどうすればよいですか?
仰向けに寝ていて気分が悪くなったときは、体位を仰臥位から左側臥位(さそくがい)に変えましょう。左側臥位とは、左側を向いて横になることです。左側臥位をとると、赤ちゃんの位置が移動して下大静脈の圧迫が解消されるため、症状が速やかに回復するといわれています。
仰臥位低血圧症候群を起こしにくい寝方を教えてください
仰臥位低血圧症候群の予防には、下大静脈の圧迫を避ける姿勢をとることが大切です。おすすめの姿勢は、シムス位とセミファーラー位です。シムス位とは、左側を下にして横になり、右側の脚を軽く前に出して脚を曲げた姿勢のことをいいます。抱き枕を抱えたり、背中側にクッションを入れたりすると安定しやすく、骨盤や腰への圧迫感も軽減されます。完全な横向きがつらいときにも取り入れやすく、血流を保ちながらリラックスできる体位です。
セミファーラー位とは、仰向けの状態で上半身を30度以上あげた姿勢のことです。この姿勢では、子宮の位置がやや下がるため、下大静脈への圧迫が和らぎ、血液の流れがスムーズになります。また、肺が広がりやすくなるため呼吸も楽になり、胸の圧迫感や息苦しさの軽減につながります。
自宅で休むときは、背中に大きめのクッションや枕を重ねて上半身を少し起こすと簡単に再現できます。テレビをみるときや読書のときにも取り入れやすいでしょう。
妊婦さん自身が「楽にできる」と感じる体位を選ぶことが大切です。眠るときだけでなく、昼間の休憩時にも活用してみましょう。
また、寝るとき以外でも長時間の仰向け姿勢を避けるように意識しましょう。健診やエコー検査中に気分が悪くなった場合は、ためらわずにスタッフに伝えてください。
参照:『胎児心拍数モニタリング時の体位』(医学出版)
仰向けでも仰臥位低血圧症候群を起こしにくい寝方はありますか?
「仰向けでないと眠れない」「横向きがつらい」という方も少なくありません。その場合は、完全な仰向けを避け、身体をわずかに傾ける工夫をしてみましょう。右腰の下にタオルや毛布などを挟むと、仰向けに近い形で休むことができます。
編集部まとめ

妊娠中に仰向けで寝ていて「気分が悪い」「息苦しい」と感じたら、仰臥位低血圧症候群の可能性があります。これは、大きくなった子宮が背中側の血管を圧迫し、血圧が一時的に下がることで起こる生理的な現象です。多くの場合は、左側臥位になることですぐに症状が改善します。もし気分不快やめまいなどの症状が続く場合は、ほかの病気が隠れている可能性があるため、迷わず医療機関に相談しましょう。
妊娠中の身体は、赤ちゃんを育てるために大きく変化します。姿勢を工夫しながら、無理のない範囲で、自分の体調に見合った寝方を見つけましょう。
参考文献
『仰臥位低血圧症候群』(日本救急医学会)
『胎児心拍数モニタリング時の体位』(医学出版)
『帝王切開の麻酔Q&A』(日本産科麻酔学会JSOAP)
『Association of Supine Going-to-Sleep Position in Late Pregnancy With Reduced Birth Weight: A Secondary Analysis of an Individual Participant Data Meta-analysis』(JAMANetworkOpen)
『貧血』(国立がん研究センター)
『迷走神経反射』(日本救急医学会)
『不整脈の症状は?』(一般社団法人日本循環器学会)

