「認知症の中核症状」はご存知ですか?周辺症状も医師が徹底解説!

「認知症の中核症状」はご存知ですか?周辺症状も医師が徹底解説!

認知症の周辺症状

次に、周辺症状です。これらの症状が見られた時、まず考えるべきは、その背景に隠れた原因です。

①不安・抑うつ・無気力

今までできたことができなくなる不安から、気分が落ち込んだり、何事にもやる気をなくしたりします。

ご本人の不安な気持ちに寄り添い、「つらいね」と共感し、安心できる環境を作ることが大切です。

②妄想・幻覚

最も多いのが「物盗られ妄想」です。
これは置き場所を忘れた不安から生じます。頭から否定せず、「それは大変、一緒に探しましょう」と訴えを受け入れる姿勢が、ご本人の安心につながります。

➂興奮・攻撃性

ささいなことで怒り出すことがあります。
その背景には、いらだちや不安だけでなく、体の痛みや便秘といった身体的な不快感が隠れていることが少なくありません。まずは何か身体的な不調がないか、環境に不快な点はないかを確認してみましょう。

④徘徊(はいかい)

あてもなく歩き回るように見えますが、ご本人には「家に帰る」などの目的がある場合がほとんどです。

無理に引き留めず、「どこかへ行かれるのですか?」と声をかけ、ご本人の目的や不安を探ってみましょう。

⑤睡眠障害

体内時計が乱れ、昼夜逆転してしまうことがあります。
日中に適度な運動をしたり、太陽の光を浴びたりする機会を作り、生活リズムを整えることが大切です。

「認知症の中核症状」についてよくある質問

ここまで認知症の中核症状について紹介しました。ここでは「認知症の中核症状」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

認知症の中核症状とBPSDの違いについて教えてください。

秋谷 進 医師

はい、これはとても重要なポイントですね。改めて整理しますと、
・中核症状:脳の細胞が壊れることで直接起こる症状です。記憶障害や見当識障害など、認知症の方であれば誰にでも起こりうる基本的な症状です。
・BPSD(周辺症状):中核症状という土台の上に、ご本人の性格や環境、心理状態などが影響して起こる二次的な症状です。妄想や徘徊、抑うつなどで、症状の現れ方には大きな個人差があります。
このように整理して考えると、「なぜこうした症状を起こしているのか」がわかりやすくなります。

配信元: Medical DOC

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